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執筆者の写真t-ogino

素材の魅力が増す、建築の素敵な設計方法。屋根材・外壁材・内装材の使い方。

更新日:8月31日

「屋根材を外壁に使う」

オレンジ色のコロニアル葺き、吹付けタイル、SOP塗装、テラコッタタイル

外壁のウロコの様な板が重なった仕上げ材は、本来屋根に使うコロニアルという材料を、壁材に使っています。

コロニアルは一枚一枚、一部分を重ねながら貼っていく素材で、重なりしろ部分に小さな段差ができます。光があたると、小さな影が重なりしろに出来、独特の素材感が生まれます。


外壁はどうしても、のっぺりした無個性ツルツル素材になりがちですが、素材を感じる材料を使いたくなります。コロニアルの微細な凹凸が写し出す光と影と質感が、個性のある存在感を持ちます。

細かい形が繰り返す姿が、綺麗なデザインになります。

グレーのコロニアル葺きの外壁、白のSOP塗装、ロートアイアンのサイン、丸鋼、モルタル金鏝

こちらは、グレーのコロニアル。シンプルな中に特徴的な柔らかさを感じさせる素材で、スタイリッシュな、美しいグレーを形作ってくれました。



「ラーチ合板という、構造素材」


ラーチ合板の壁天井、白い壁と扉、杉の床フローリング、緑の植栽

綺麗=美.美しさ であって欲しい。

綺麗=汚れていない では、悲しくなってしまう。


建築やっていると、綺麗=汚れない.汚れていないの意味で使われている場合が多いけれど、その言葉遣いは切なくないかい?


白いEP塗装の壁、白の扉、杉板フローリング、黒の自転車、観葉植物、玄関扉

素材にも、美しい素材と汚れ難い素材があって、両方備えていると良いのだけれど、そうもいかない。もっとも汚れない素材なんて無いのだけれど。美しい素材を汚れ辛い仕上がりにして使う事が多いです。


こげ茶色の古材の梁、ラーチ合板の壁と天井、EP白色艶無し塗装の壁、杉板の床フローリング、白色の引戸

壁や天井に貼っているのは、ラーチ合板(構造用合板)。もともと、構造耐力をつける為の材料で、仕上材では無い。仕上材では無いから、表面は粗くてザラっとしている。このザラっとした質感が人の肌には馴染む。ツルツルした空間の中にいるより、ザラっとした質感の中にいる方が、心地よいはず。ポリエステルの肌着より綿や絹の肌着の方が皮膚に優しく、着心地が良い様に。


耐力素材のラーチ合板、そのまま使うには荒すぎるので、自然由来の木に染み込む保護用塗料を塗っています。これで木の繊維が毛羽だたない。長く、持ちます。

 


屋根材を外壁に使うデザイン


屋根材を外壁に使うデザインは、建築の分野で「ラップアラウンドデザイン」や「エクステリアコヒーレンス」と呼ばれる手法の一環として採用されることがあります。この手法は、建物全体の一体感や統一感を強調するために使用され、独自性と美しさを追求するデザインアプローチです。以下は、その詳細についてのポイントです。


1. 素材の一貫性と統一感

  • 屋根材を外壁にも使用することで、建物全体が一つの統一されたデザイン要素として感じられます。これは視覚的な一体感を生み出し、建物のデザインがシンプルかつモダンな印象を与えるのに役立ちます。


  • 特に、斜め屋根からそのまま外壁に繋がるようなデザイン(屋根と壁がシームレスに繋がる)は、斬新で未来的な印象を与えることができます。


2. 耐久性と機能性の向上

  • 屋根材は通常、厳しい天候条件に耐えられるように設計されています。そのため、外壁にも使用することで、耐候性が高まり、メンテナンスの手間を減らすことができます。


  • 金属屋根材(例:トタン、ガルバリウム鋼板など)を外壁に使うと、特に耐火性が向上し、長寿命の建物を実現できます。


3. 現代的でシンプルな美しさ

  • ガルバリウム鋼板やアルミニウムパネルなどの金属屋根材を外壁に使用することで、現代的でミニマルな外観を得ることができます。光の反射によって時間帯ごとに異なる表情を見せることも魅力です。


  • 木材の屋根材(シダーシェイクなど)を使用すると、自然で温かみのある外観が得られ、カントリースタイルやナチュラルなデザインにも適しています。


4. アクセントとしての利用

  • 屋根材を外壁全体に使うのではなく、特定の部分(例:玄関周り、ガレージ、バルコニー部分など)にアクセントとして使用することで、視覚的なポイントを作り、デザインの強弱をつけることができます。


5. エネルギー効率の向上

  • 屋根材の反射性や断熱性を考慮し、外壁にも使用することで、夏の冷房負荷を減らし、冬の断熱効果を高めることができます。特に、金属製の屋根材は高反射性の塗装を施すことで、日射熱を反射し、内部温度の上昇を抑えることが可能です。


6. コスト面の利点

  • 一部の屋根材は比較的安価であり、大量生産されているため、コストを抑えつつデザイン性を向上させることができます。また、同じ素材を屋根と外壁に使うことで、材料の無駄を減らし、経済的な設計が可能になります。


7. 具体的な例

  • 北欧デザインの家では、ダークグレーのガルバリウム鋼板を屋根と外壁に使用し、モダンでシンプルな外観を持たせた建物が見られます。


  • 日本の伝統的な和風建築のアレンジとして、瓦屋根をそのまま外壁に使用し、歴史的な趣を持ちながら現代的なアプローチを加えたデザインも可能です。


8. 施工の注意点

  • 屋根材を外壁に使用する際は、防水性の確保と適切な通気層の設計が重要です。適切な施工を行わないと、内部結露や雨漏りの原因になる可能性があります。


  • 風の影響を受けやすい場所では、屋根材の固定方法にも注意が必要です。強風時の耐久性を考慮した施工が求められます。


まとめ

屋根材を外壁に使用することは、デザインの一貫性を保ちながら、機能性と美しさを兼ね備えた建物を実現するための効果的な手法です。選定する素材やデザインの工夫次第で、住宅のスタイルや周囲の景観に調和しつつ、個性的な外観を持たせることができます。


構造材を内装仕上材に使うデザイン


構造材を内装仕上げ材として使用するデザインは、近年、建築やインテリアデザインで人気が高まっています。この手法は、「エクスポーズドストラクチャー」や「インダストリアルデザイン」と呼ばれることが多く、建物の構造要素をあえて見せることで、シンプルでありながらも力強い美しさを表現します。以下に、構造材を内装仕上げ材として使用するデザインの詳細を紹介します。


1. 素材の自然な美しさを強調

  • 構造材には、木材、鉄骨、コンクリート、煉瓦など、さまざまな素材があります。これらの素材をそのまま内装の一部として露出させることで、自然な質感や色合いを強調できます。


  • 例えば、木の梁や柱を見せることで、温かみのあるナチュラルな雰囲気を演出することができます。一方で、コンクリートの壁や床をそのまま見せることで、現代的でミニマルな印象を与えられます。


2. 空間の広がりと一体感

  • 構造材を露出させることで、天井を高く見せたり、視覚的に空間を広げたりする効果があります。梁や柱が視線を導くことで、開放感が生まれ、空間がよりダイナミックに感じられます。


  • また、異なる部屋やエリア間で統一感を持たせることができ、建物全体が一つのまとまりとして感じられます。


3. インダストリアルデザインの魅力

  • 鉄骨やコンクリート、ダクトなどのインフラストラクチャーをあえて見せることで、工業的で洗練された雰囲気を演出できます。インダストリアルデザインは、特に都市部のロフトやリノベーションされた倉庫、オフィススペースで人気です。


  • 金属の梁や柱を露出させると、クールで現代的な印象を持たせることができ、モダンな家具や装飾との相性も良好です。


4. コストとエコロジーの観点

  • 内装仕上げ材を新たに購入・施工する手間が省けるため、コスト削減につながります。また、建物の構造材をそのまま使うことで、材料の無駄を減らし、環境に配慮した設計が可能です。


  • 特にリノベーションやリサイクル材を使った設計において、構造材を再利用することは、サステナブルなアプローチの一環として重要です。


5. デザインのカスタマイズ

  • 構造材を露出させる場合、そのままの状態を活かすだけでなく、塗装や仕上げを施して独自のスタイルを加えることもできます。例えば、木材に透明なオイルやワックスを塗ることで、木の質感を保ちながら保護し、美観を高めることができます。


  • 鉄骨には防錆塗料を塗布することで、色彩を加えたり、素材の寿命を延ばしたりすることが可能です。


6. 心理的な効果

  • 自然素材の構造材を露出させることで、人々に安心感や落ち着きを提供できます。木材の見える梁や柱は、空間に温かみを加え、住まいやオフィス環境をリラックスしたものにします。


  • また、構造が視覚的に確認できるため、建物の強さや信頼性を感じさせる効果もあります。


7. 照明と影の演出

  • 構造材を内装の一部として露出させることで、照明の配置が重要になります。梁や柱が影を作り、空間に深みを与えることができます。間接照明やスポットライトを活用することで、素材の質感を強調し、ドラマチックな効果を演出することが可能です。


8. 施工の注意点

  • 構造材を露出させる場合、その耐火性能や断熱性能についても注意が必要です。必要に応じて、適切な防火処理や断熱処理を施すことが求められます。


  • また、経年変化やメンテナンスも考慮する必要があります。特に木材は湿度や温度変化に敏感であるため、適切な環境管理が求められます。


構造材を内装仕上げ材として使用するデザインは、建物の個性を強調し、自然でありながらも洗練された美しさを表現する手法です。素材の特性を活かした設計は、空間に独自の雰囲気を持たせることができ、住む人々や訪れる人々に強い印象を与えます。コスト効率やエコロジーの観点からも有効であり、今後ますます注目されるデザインアプローチと言えるでしょう。


コロニアルという建築素材


「コロニアル」と呼ばれる建築素材は、主に日本において一般的に使用される屋根材の一つです。日本の住宅や建物の屋根に広く採用されており、その耐久性や美観が評価されています。以下に、コロニアルの詳細について詳しく説明します。


1. コロニアルとは?

  • コロニアルは、日本ではスレート屋根材として知られている「化粧スレート(ファイバースレート)」の一種です。スレートとは、薄い板状の屋根材を指し、天然石や人工素材から作られます。コロニアルはその中でも人工素材を使用したスレートの一種です。


  • 元々は「コロニアル」という名称は、商品名でしたが、現在では一般的な名称として使われることが多いです。製造元によって「カラーベスト」や「スレート」とも呼ばれることがあります。


2. 素材と構造

  • コロニアルは、セメントを主原料とし、繊維を混ぜ込んで補強された薄い板状の屋根材です。セメントと繊維の混合物を成形し、塗装することで作られます。


  • 軽量であることが特徴で、従来の瓦屋根に比べて建物全体の荷重を軽減することができます。また、薄型であるため、施工時に重ね張りが容易で、リフォームにも適しています。


3. 特長

  • 耐久性: コロニアルは耐候性が高く、雨風や紫外線に対して強い耐性を持っています。特に、塗装が施されているため、色褪せや汚れが付きにくいという利点があります。


  • 軽量性: 瓦屋根に比べて軽量であるため、地震などの揺れによる負担が少なく、耐震性が向上します。これは、屋根の総重量が建物にかかる力を減らすため、構造物全体の耐震設計に有利です。


  • 美観: コロニアルは様々な色やデザインがあり、住宅のスタイルに合わせた選択が可能です。伝統的な和風建築からモダンなデザインまで、多様な外観を演出できます。


  • 経済性: 製造コストが比較的低く、軽量で施工が簡単なため、工事費用も抑えられます。これにより、リフォームや新築時のコストパフォーマンスが良いとされています。


4. デメリット

  • 定期的なメンテナンス: コロニアルは塗装による保護が必要であり、約10~15年ごとに再塗装する必要があります。塗装が劣化すると、防水性能が低下し、ひび割れや雨漏りの原因になることがあります。


  • 脆弱性: 重いものが落ちた場合や強い衝撃を受けた場合、割れたり破損したりする可能性があります。また、長期間の使用や厳しい気象条件によっても劣化が進行することがあります。


5. 使用例と適用範囲

  • コロニアルは主に住宅の屋根に使用されますが、ガレージや倉庫などの小規模建築物、さらには大型の公共施設や商業施設の屋根にも採用されています。


  • 住宅のスタイルに合わせた色やテクスチャーの選択が可能で、モダンな都市型住宅や、伝統的な日本家屋のいずれにも適応します。


6. 施工方法

  • コロニアルは一般的に釘やビスで固定され、屋根の骨組みに直接取り付けられます。施工は比較的簡単で、専門の施工業者によって迅速に設置できます。


  • 下地材との間に防水シートを敷き、屋根材の下から上へ重ねながら施工するため、雨水の侵入を防ぐ構造になっています。


7. メンテナンスの重要性

  • コロニアル屋根の長寿命化のためには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。特に、塗装の劣化や表面の汚れは放置すると建物の美観や機能性に悪影響を及ぼすため、専門業者による定期的なチェックが推奨されます。


8. コロニアルと他の屋根材との比較

  • 瓦屋根: 瓦は伝統的で耐久性が高いものの、重量が重いため地震時のリスクが増すことがあります。コロニアルは軽量であるため、耐震性が求められる現代の住宅設計には適しています。


  • 金属屋根: 金属屋根は耐久性が高く、メンテナンスが少ないのが特徴ですが、断熱性や防音性が低いことがあります。コロニアルはこれらの点でバランスが取れているとされます。


コロニアルは、耐久性、軽量性、デザイン性、経済性を兼ね備えた屋根材であり、日本の住宅建築において非常に人気があります。定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって美しい外観と機能性を維持することができます。様々な建築スタイルに対応できるため、新築住宅やリフォームにおいても広く利用されているのが特徴です。


ラーチ合板という建築素材


ラーチ合板は、建築分野で広く使用される合板の一種で、主に「ラーチ」と呼ばれる針葉樹の木材を原料にしています。ラーチ合板は、優れた強度と耐久性を持ち、構造材から内装仕上げ材、家具製作まで幅広い用途に利用されています。以下に、ラーチ合板についての詳細を詳しく説明します。


1. ラーチ(カラマツ)とは?

  • ラーチは、日本では「カラマツ」として知られる木の一種で、寒冷地に生育する針葉樹です。日本国内では北海道や長野県、東北地方などで見られ、またロシアや北米、ヨーロッパでも広く分布しています。


  • ラーチの木は成長が早く、強度が高いのが特徴です。そのため、建築材やパルプ材、合板の材料として利用されています。


2. ラーチ合板の製造方法

  • ラーチ合板は、ラーチの丸太を薄くスライスして作ったラーチ単板(ベニヤ)を複数枚重ね、接着剤で圧着して作られます。この重ねる際に、隣り合う単板の木目の方向を互いに直交させることで、強度と安定性が増します。


  • 通常、ラーチ合板は3層以上の構造で作られ、層数が増えるほど強度と耐久性が高まります。接着には耐水性の高いフェノール樹脂系の接着剤が使用されることが多く、これによりラーチ合板は耐水性を持つことができます。


3. ラーチ合板の特長

  • 高い強度と耐久性: ラーチは針葉樹の中でも特に強度が高く、合板にすることでその強度がさらに向上します。曲げやねじれに対する耐性があり、構造材としての信頼性が高いです。


  • 耐水性: 使用される接着剤の特性とラーチの木材自体の性質により、ラーチ合板は一定の耐水性を持ち、湿気に強い特性があります。このため、外壁下地や床下地などの構造用途に使用されることが多いです。


  • 寸法安定性: ラーチ合板は木目を交互に重ねているため、湿度の変化による膨張や収縮が抑えられ、寸法安定性が良好です。


  • 加工性: ラーチ合板は釘打ちや切断が容易で、建築現場での取り扱いがしやすい材料です。また、塗装や仕上げが可能で、美観の点でも優れています。


4. 用途

  • 構造用下地材: ラーチ合板は床、壁、屋根などの下地材として使用されます。高い強度と耐水性があるため、耐力壁としても効果的です。


  • 内装仕上げ材: 表面が美しいラーチ合板は、内装仕上げ材としても利用されます。ラーチの木目は装飾性があり、自然な風合いを生かしたデザインが可能です。


  • 家具やキャビネット製作: 加工しやすく、美観が良いラーチ合板は、家具やキャビネットの製作にも適しています。特に、見える部分に使用されることが多く、ナチュラルで温かみのある仕上がりが得られます。


  • 型枠材: 建設現場でコンクリートの型枠として使用されることもあります。強度があり、耐水性があるため、型枠として何度も使用できる耐久性を持っています。


5. ラーチ合板のメリット

  • コストパフォーマンス: ラーチ合板は、他の合板に比べて比較的安価でありながら、高い強度と耐久性を持つため、コストパフォーマンスに優れています。


  • 環境負荷が少ない: ラーチは成長が早いため、再生可能な資源として持続可能な素材です。ラーチ合板の製造過程でも、廃材のリサイクルや環境に配慮した取り組みが行われています。


  • デザイン性: ラーチ合板の表面は、自然な木目が美しく、ナチュラルで温かみのある空間を演出できます。内装材としても使用できるため、デザインの自由度が高いです。


6. デメリットと注意点

  • 耐火性能: ラーチ合板は木材由来のため、耐火性能が他の不燃材に比べて低いです。使用する場所によっては、耐火処理を施す必要があります。


  • 湿気への対応: 耐水性はありますが、長期間水にさらされる環境では劣化が進む可能性があります。防水処理や適切な施工が求められます。


  • 見た目のばらつき: 自然素材であるため、木目や色合いにばらつきがあることが一般的です。この点をデザインの一部とするか、均一性が求められる場合は他の仕上げ材を検討する必要があります。


7. メンテナンス

  • ラーチ合板は、定期的なメンテナンスが必要です。屋外で使用する場合、塗装やシール材での防水処理を定期的に行うことで、耐久性を保つことができます。室内で使用する場合も、清掃やワックスがけをすることで、美しい外観を維持できます。


ラーチ合板は、その高い強度、耐久性、加工性、そして美しい木目を活かしたデザイン性から、建築のさまざまな用途で広く使用されています。コストパフォーマンスにも優れており、エコフレンドリーな選択肢としても注目されています。適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたりその機能と美しさを維持することができるでしょう。



住まいの設計・計画の解説


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