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執筆者の写真t-ogino

モルタル外壁の塗り方は、3度に分けて塗り重ねる。墨入りモルタル濃墨仕上!光をつかむ家(埼玉県川口市)

更新日:8月11日


モルタル下塗り、左官工事

外壁はモルタルを塗っています。

「光をつかむ家」


綺麗なんですよね。モルタルの表情。

でも、ここから仕上げをして隠れてしまうので見られるのは今だけ。

1番上の画像が、モルタルを塗った処。

2番目は、出窓部分をモルタルの上に更に下地の色の入った左官材を塗った処です。

仕上の左官の色を透かして、基の素材の色彩が浮き出ない様にする材料です。


下地モルタル → 左官下地 → 左官仕上


3段階で仕上ていきます。


この上に、活性炭を潰した左官で仕上げます。

左官やさんの、腕がいい。めちゃ、ピシッといきます。


モルタル塗り、左官工事、ルーバー材

グレーの左官基材に、墨を入れてコテ塗りした仕上です。

斑が入った感じになる、ニュアンスな表現。

外壁はこれで仕上がり。


荒さのある素材には、生命力や情感を感じられますね。


最後の画像で、木のルーバーを取り付けてます。


モルタルの外壁は、防火材なので、準防火地域でも使える機能性の良い材料でもあります。



モルタル外壁の塗り方


モルタル外壁の塗り方にはいくつかの方法やステップがありますが、以下の手順に従って作業を進めることで、しっかりとした仕上がりを得ることができます。モルタル外壁の塗り方について、基本的な手順を詳しく説明します。


1. 準備作業

材料と道具を準備する

  • モルタル(セメント、砂、水)

  • プライマー(下地処理剤)

  • 水バケツ、混合用の容器

  • コテ(下塗り用、中塗り用、仕上げ用)

  • ハケ、ローラー

  • スポンジ、ブラシ

  • 保護具(手袋、マスク、ゴーグル)


下地のチェックと補修

  • 既存の外壁がある場合、ひび割れや汚れ、カビをきれいに取り除きます。必要に応じて、ひび割れ補修材やカビ除去剤を使用します。

  • 新規の外壁であれば、表面のほこりや汚れを取り除きます。


2. プライマーの塗布

プライマーは、モルタルが外壁にしっかりと付着するための重要な役割を果たします。ハケやローラーを使って均一にプライマーを塗布します。プライマーが乾燥するまで、通常は数時間から一晩待ちます。


3. モルタルの混合

セメントと砂を適切な比率で混ぜ、水を加えてモルタルを作ります。一般的な比率は、セメント1に対して砂が2〜3です。水の量は、混合物が滑らかになる程度に調整します。ミキサーやスコップを使ってよく混ぜます。


4. モルタルの塗布

モルタルは、通常3層に分けて塗布します。各層の塗り方は以下の通りです。


下塗り(ベースコート)

  • コテを使って、最初の層を厚さ5~10mm程度に均一に塗ります。この層は下地とモルタルの間の接着力を強化します。

  • 下塗りが完全に乾くまで待ちます。乾燥時間は気温や湿度により異なりますが、通常1〜2日かかります。


中塗り(中間層)

  • 下塗りの表面が乾いたら、次に中塗りを行います。中塗りは、仕上げの厚みと強度を提供するために、もう少し厚め(約10〜15mm)に塗ります。

  • この層も完全に乾燥させます。乾燥時間は下塗りと同様に、環境によります。


仕上げ塗り(トップコート)

  • 最後に、仕上げ用のモルタルを塗布します。この層は薄く(5mm程度)し、表面を滑らかに仕上げます。

  • コテの角度を調整しながら、表面に模様をつけたり、滑らかに仕上げたりします。


5. 仕上げと養生

表面仕上げ

  • 仕上げ塗りが乾く前に、スポンジやブラシを使って表面を整えます。必要に応じて、表面に軽く水を吹きかけてから作業を行うと、均一に仕上がります。


養生

  • モルタルが完全に乾燥するまで、少なくとも1週間は養生が必要です。この間、直接の雨や強い日差しを避けるために、シートでカバーするか、仮設の囲いを設置することが推奨されます。


6. 塗装(オプション)

モルタル外壁をさらに耐久性のあるものにするためには、仕上げの塗装を行うことも考慮に入れます。防水性のある外壁用塗料を使用し、ローラーやハケで均一に塗布します。


モルタル外壁の塗り方には細心の注意と技術が必要です。適切な下地処理、プライマーの塗布、モルタルの層ごとの塗り重ね、仕上げ、そして養生の各段階を丁寧に行うことで、長持ちし、見た目も美しい外壁を実現できます。


左官壁は何故3回に分けて塗るのか


左官壁が3回に分けて塗られる理由は、壁の強度、耐久性、仕上がりの美しさを確保するためです。それぞれの工程には特定の目的があり、これらを順に行うことで、より良い結果が得られます。以下に、各塗り工程の目的と役割について詳しく説明します。


1. 下塗り(ベースコート)の目的

役割と目的

  • 接着力の強化: 下塗りは、左官壁の最初の層であり、下地と中塗りの間の接着力を強化する役割を果たします。これにより、後続の層がしっかりと下地に密着し、剥がれにくくなります。下地の素材がコンクリートや木材などの場合、下塗りが均一に行われることで、表面の不均一さが修正され、次の層の塗りやすさが向上します。


  • 吸水調整: 下塗りが均一に行われることで、下地が水分を吸収しすぎるのを防ぎます。これにより、中塗りや仕上げ塗りが均一に乾燥し、ひび割れが発生しにくくなります。


  • 下地の保護: 下塗りは、下地を外部からの湿気や湿度の影響から守るためのバリアとして機能します。これにより、建物の耐久性が向上します。


2. 中塗り(中間層)の目的

役割と目的

  • 厚みと強度の提供: 中塗りは壁の厚みを確保し、全体的な強度を提供する層です。中塗りがしっかりと行われることで、壁全体が強固になり、物理的なダメージに対する耐性が向上します。


  • 平滑化と整形: 中塗りは表面の凹凸を整え、最終的な仕上げを行うためのベースを作る役割を持っています。これにより、仕上げ塗りが均一で滑らかな表面に仕上がるようになります。


  • 調湿機能の向上: 中塗りは厚みを増すことで、壁の調湿機能を向上させる役割も持っています。これにより、室内環境の快適さが保たれやすくなります。


3. 仕上げ塗り(トップコート)の目的

役割と目的

  • 美観の向上: 仕上げ塗りは、最も目に見える層であり、壁の最終的な美観を決定する重要な層です。この層で模様をつけたり、滑らかに仕上げたりすることができます。コテを使った仕上げや、特殊なテクスチャを加えることで、デザイン性を高めることが可能です。


  • 保護機能: 仕上げ塗りは、外部環境からの影響(雨、紫外線、風化など)に対する保護層としても機能します。仕上げ塗りに防水性や耐久性のある材料を使用することで、壁全体の寿命を延ばすことができます。


  • 汚れや劣化の防止: 仕上げ層があることで、外部からの汚れや埃の付着を防ぎ、清掃がしやすくなります。また、時間が経つにつれての劣化や色あせを抑える効果も期待できます。


左官壁が3回に分けて塗られる理由は、各層がそれぞれ特定の役割を持っているからです。下塗りで接着力を強化し、中塗りで厚みと強度を提供し、仕上げ塗りで美観と保護機能を確保します。このように層ごとに役割を分けることで、左官壁は耐久性が高く、美しい仕上がりを持つものとなります。これが、左官技術が長年にわたって評価され、広く用いられてきた理由の一つです。


モルタル外壁の工事での注意点


モルタル外壁の工事には、いくつかの注意点があり、これらをしっかりと守ることで、耐久性のある美しい仕上がりが得られます。以下に、モルタル外壁の工事における主要な注意点を詳しく説明します。


1. 下地の準備

  • 清掃と補修: 下地が汚れていると、モルタルがうまく付着しません。ほこりや汚れ、油分をしっかりと取り除き、ひび割れや欠けがある場合は事前に補修します。特にひび割れが大きい場合は、専用の補修材で埋めてから工事を進めることが重要です。


  • 下地の乾燥: 下地が乾燥しているかどうかを確認します。湿った下地にモルタルを塗ると、接着力が低下し、仕上がりが不安定になります。湿度の高い季節や雨天時には特に注意が必要です。


2. モルタルの調合

  • 適切な比率: モルタルは、セメント、砂、水の比率が適切であることが重要です。通常、セメント1に対して砂が2〜3の比率で混ぜます。水は混合物が滑らかになる程度に加えます。過剰な水を加えると、モルタルの強度が低下し、乾燥後にひび割れが発生する可能性が高まります。


  • 均一な混合: モルタルが均一に混ざっていることを確認します。手で混ぜる場合は、十分に時間をかけて混ぜ、材料が均一になるようにします。ミキサーを使用すると効率的で均一な混合が可能です。


3. 施工環境の管理

  • 温度と湿度: モルタルの施工には適切な温度と湿度が必要です。気温が5℃以下の場合や35℃以上の場合は、モルタルの乾燥が不均一になり、ひび割れの原因になります。湿度が高すぎるとモルタルが乾燥しにくく、低すぎると急速に乾燥してしまうため、適切な養生が求められます。


  • 風と直射日光の影響: 強風や直射日光の下での作業は、モルタルの乾燥を速め、ひび割れや剥がれの原因となるため避けます。必要に応じて、シートで覆うなどして施工環境を調整します。


4. 塗り重ねのタイミング

  • 層ごとの乾燥時間: 各塗り層がしっかりと乾燥するまで次の層を塗り重ねないことが重要です。下塗りや中塗りが完全に乾いていないと、仕上げ塗りが剥がれやすくなります。通常、各層は1~2日間乾燥させる必要がありますが、環境条件によって異なるため、目視と触感で確認します。


  • クラックの防止: 塗り重ねの際に、モルタルの厚みを一度に多く塗ると、乾燥時にクラックが発生しやすくなります。適度な厚みで、均一に塗り重ねることが大切です。


5. 仕上げの注意点

  • コテの使い方: 仕上げ塗りの際、コテの使い方が仕上がりに大きな影響を与えます。コテを均一に動かし、力を均等にかけることで、平滑で美しい表面を作ることができます。コテ跡やムラが残らないように注意します。


  • 模様付け: テクスチャー仕上げを行う場合は、乾燥しすぎる前に模様をつけます。タイミングを逃すと、モルタルが硬化してしまい、模様付けが難しくなります。


6. 養生期間の管理

  • 養生の重要性: モルタルが完全に硬化するまでの期間(通常は7日〜10日間)、適切な養生を行います。急激な乾燥を避けるために、湿布やシートで覆うなどして、モルタル表面の水分が均一に蒸発するようにします。


  • 温度と湿度の調整: 養生期間中は、直射日光を避け、適度な湿度と温度を保つことが理想的です。特に夏場や乾燥した環境では、定期的に水を散布して乾燥を防ぎます。


7. 仕上がりの点検

  • ひび割れや剥がれの確認: 乾燥後、壁全体を点検し、ひび割れや剥がれがないか確認します。小さなひび割れが見つかった場合は、早めに補修します。


  • 色ムラのチェック: モルタルの色が均一でない場合、仕上げ塗りや塗装で補正することも考慮します。色ムラがあると、美観を損なうだけでなく、経年劣化が進む原因にもなります。


モルタル外壁工事での注意点は、主に下地準備、モルタルの調合、施工環境の管理、塗り重ねのタイミング、仕上げの方法、養生期間の管理、仕上がりの点検に集中します。これらのポイントをしっかりと守ることで、モルタル外壁は長期間にわたって美しさと耐久性を保つことができます。また、適切な手順と注意を払うことで、後のメンテナンスコストを抑えることも可能です。


墨を入れたモルタルで左官塗した、墨モルタルとは


墨モルタルとは、モルタルに墨(墨汁)を混ぜて色を付けた左官仕上げの一種です。墨モルタルは、自然で落ち着いた黒色の風合いを持ち、日本の伝統的な建築や現代のモダンなデザインのどちらにも適しているため、さまざまな場面で使用されています。この墨モルタルについて、特徴や施工方法、注意点について詳しく説明します。


墨モルタルの特徴

  1. 自然な黒色: 墨を混ぜることで、モルタルは深みのある自然な黒色に変わります。一般的な塗料と比べて、墨モルタルは光沢が少なく、マットで落ち着いた印象を与えます。


  2. 伝統的な美しさ: 日本の伝統的な建築様式において、墨モルタルは和風建築に調和しやすい色合いとして親しまれています。和の要素を取り入れたい場合に適しています。


  3. 現代的なデザインにも対応: 墨モルタルはモダンでミニマリストなデザインにも適しています。現代的な建築やインテリアデザインにおいて、シンプルでスタイリッシュな印象を与えます。


  4. 耐久性: 墨モルタルは、通常のモルタルと同様の耐久性を持ちます。外部の壁にも使用可能で、適切な施工とメンテナンスを行えば、長期間にわたって美しさを保つことができます。


  5. 多様なテクスチャ: 墨モルタルは、さまざまな仕上げ方法(スムース仕上げ、テクスチャ仕上げなど)で使用でき、デザインのバリエーションが広がります。


墨モルタルの施工方法

墨モルタルの施工は、基本的に通常のモルタルと同様ですが、墨を加える工程が追加されるため、特定の注意点を守る必要があります。


  1. 材料の準備

    • セメント、砂、水:通常のモルタルと同様の材料を使用します。

    • 墨(墨汁):一般的には市販の墨汁を使用しますが、専用の墨顔料を使用することもあります。


  2. 墨の混合

    • 墨を水で希釈し、均一に混ぜます。墨の量によって、モルタルの色の濃さが変わるため、希望する色合いに合わせて調整します。

    • 希釈した墨をモルタルの水分として使用し、セメントと砂に混ぜ込みます。均一な色合いを得るために、しっかりと混ぜることが重要です。


  3. 下地の準備

    • 墨モルタルを塗る下地は、清掃と補修が必要です。特に、下地が吸水性の高い場合は、下地にプライマーを塗布して吸水を抑えることが推奨されます。


  4. 塗り作業

    • コテを使って、下塗り、中塗り、仕上げ塗りの順で施工します。墨モルタルは色ムラが目立ちやすいため、各層を均一に塗布することが重要です。

    • 仕上げ塗りの際に、表面を均一に整えることで、美しい仕上がりを実現します。コテ跡が目立たないように、コテの動かし方にも注意が必要です。


  5. 養生

    • 施工後は、急激な乾燥を避けるために養生を行います。墨モルタルは、乾燥不良が発生するとひび割れや剥がれが生じやすいため、湿布やカバーを使って適切に養生します。


墨モルタルの注意点

  1. 色ムラの防止: 墨モルタルは色ムラが発生しやすいため、材料の混合時にしっかりと均一に墨を混ぜ込むことが必要です。また、塗り重ねる際の均一性も確保することが求められます。


  2. 乾燥時間の管理: 墨モルタルは、乾燥時にひび割れや剥がれが生じるリスクがあるため、乾燥環境を適切に管理することが重要です。特に高温・乾燥した環境では、急速な乾燥を防ぐために、水分を補給しながらゆっくりと乾かします。


  3. 耐久性の確保: 墨モルタルは、通常のモルタルと同じく、外部環境に対する耐久性が必要です。仕上げ塗りの後に防水剤を塗布することで、雨や紫外線からの保護を強化します。


  4. 汚れやすさ: 墨モルタルは、その美しさを保つために、定期的なメンテナンスが必要です。汚れやすいため、定期的な清掃や保護剤の塗布が推奨されます。


墨モルタルの使用例

  • 和風建築: 伝統的な日本家屋や茶室の外壁、塀、内装に使用され、自然な黒色が和の美しさを引き立てます。


  • 現代建築: シンプルでモダンなデザインの住宅や店舗の外壁、内装のアクセントとして、墨モルタルの落ち着いた色合いが好まれています。


  • 庭園やエクステリア: 庭園の塀やエクステリアのアクセントとして使用され、自然環境との調和を図ることができます。


墨モルタルは、伝統的な日本の建築や現代のモダンなデザインに適した自然で美しい黒色の仕上げ材です。施工時には色ムラの防止、乾燥管理、耐久性の確保に注意を払いながら、適切な手順で作業を進めることが重要です。墨モルタルの風合いは、落ち着いた美しさと自然な雰囲気を提供し、さまざまな建築スタイルに取り入れられています。



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