デザイン・設計したリノベーションアパートメントが、デザインコンテストで、賞を戴きました。この、KMEW施工事例コンテストとは、建築、特に住宅の外観デザインのコンテストで、ここ1年で完成した建物の中から、32作品が受賞する実作のコンテストです。
今年、完成したリノベーション・アパートメント(コンフォート皐月)が首都圏エリア賞を受賞しました。コンテストの応募総数が1271件の中の選ばれたのが32件、狭き門を突破しての受賞ですから、喜びもひとしおです。
素材のデザインとは?
リノベーション・アパートメントの外観は、屋根材を外壁材として使った、ウロコの様な壁とモルタルに塗装した、家の形(切妻)が可愛らしい住まいになっています。ウロコの様な壁とモルタル塗装の壁が異なる素材が対比された質感ながら、同色でまとめている為、無用な派手さや違和感の無いデザインになりました。
工業製品である素材を、巧みに使い料理しどのようにデザインするのか、設計者の腕が試される部分です。また、賞の審査では、町並みをどう作って行くのか?より良い町並み形成に対する一助になっているのかも、審査ポイントの一つでした。
授賞式は神戸迎賓館で
デザインのコンテストでは、授賞式があるのが通例で、先日、神戸迎賓館で授賞式が行われました。
審査員から受賞作の講評の時間が1時間程あり、学生時代の作品発表のように聞いていましたが、審査員のお2人も、褒めたり、くさしたり、苦言や、もっとこうした方が良いなどと批評も交えながら、受賞作品に対する感想を話してもらいました。
リノベーション・アパートメントは、リノベーションながらこんなにスタイリッシュな建物になっていて、周囲の町並みに対する影響力が強く、町並みが変わっていくに違いない。また、リノベーションで間取りが大きく変わりながら建物を継続していく姿は、非常に説得力があると、お褒めの言葉ばかりを戴いています。
可愛らしくて、スタイリッシュですが、周囲に実は馴染んでいるリノベーション・アパートメント。内部のみならず、街と調和し、街を良い姿に変える少しの影響を与えられる住まいのデザインを更に続けていかなくてはと、気持ちを新たにする良いきっかけになりました。
【編集後記】
受賞式は、大正時代の洋館で行われました。
今では結婚式場として使われていて、建築関係者・デザイン関係者だれけが集まった会場では皆が写真を取り捲っていましたね。
この時代の建物は、時代の節目、模索を重ねている力が入ったものが多く、興味がつきません。
KMEWとは
KMEW(ケイミュー)は、日本の建材メーカーで、外装材や屋根材などを提供している会社です。主に以下の分野で製品を展開しています:
外壁材: KMEWは、サイディングボードや外壁タイルなどの外装材を製造しています。これらの製品は、耐久性やデザイン性に優れており、様々なスタイルや色合いが選べます。
屋根材: KMEWの屋根材には、スレートや瓦、金属屋根などがあり、機能性や耐候性を重視した製品が揃っています。
リフォーム商品: 既存の住宅や建物の外装・屋根をリフォームするための製品も提供しています。これには、簡単に取り付けられるリフォーム用のサイディングや、補修材などが含まれます。
エコ商品: 環境に配慮した製品も多く、リサイクル素材を使用した商品や、省エネルギー性能を持つ製品があります。
KMEWの製品は、耐久性やメンテナンスの容易さが特徴で、長期間にわたって美しさを保つことができます。デザインのバリエーションも豊富で、住宅や商業施設の外観に合わせた選択が可能です。
外観の素材
外観の素材のデザインには、いくつかの主な選択肢があります。それぞれの素材には独自の特徴とデザインスタイルがあり、どれを選ぶかは住宅のスタイルや好みによって決まります。以下は主要な外観素材のデザインと特徴です:
1. サイディング(外壁ボード)
素材: 木材、セメント、金属、塩化ビニール(PVC)、繊維セメント
デザイン: サイディングは多様なデザインが可能です。木目調、タイル調、ストーン調などがあり、好みに合わせて選べます。カラーバリエーションも豊富で、現代的なスタイルから伝統的なスタイルまで幅広く対応します。
特徴: 耐久性が高く、メンテナンスが比較的容易。防火性や断熱性が高い製品もあります。
2. タイル
素材: 陶器、石、ガラス
デザイン: タイルは色や模様、質感のバリエーションが豊富です。モダンなデザインからクラシックなデザインまで選択肢があり、表面に装飾的なパターンやデザインを施すことができます。
特徴: 高い耐久性と耐水性があり、掃除やメンテナンスが簡単です。デザイン性が高く、美しい外観を実現します。
3. スレート(石板)
素材: 天然石、合成スレート
デザイン: スレートは自然な風合いが特徴で、シンプルで落ち着いたデザインになります。天然石のスレートは、色合いや質感にバリエーションがあります。
特徴: 非常に耐久性が高く、長期間にわたり美しい状態を保つことができます。ただし、重量があるため、構造の強度を考慮する必要があります。
4. 金属(アルミニウム、ガルバリウム鋼板)
素材: アルミニウム、ステンレス、ガルバリウム鋼板
デザイン: 金属は現代的でクリーンな外観を持ち、色や仕上げの選択肢が豊富です。パネル状やシート状で取り付けることができ、モダンなデザインに最適です。
特徴: 耐久性が高く、軽量でメンテナンスが容易。錆や腐食に強い素材もあります。
5. 塗装
素材: 外壁用ペイント(アクリル、シリコン、フッ素)
デザイン: 塗装は色や仕上げのバリエーションが広く、単色からグラデーション、パターン塗装まで対応できます。塗装の仕上げにはつや消し、半つや、光沢などがあります。
特徴: コストが比較的安価で、施工が容易。定期的な塗り替えが必要ですが、色やデザインを自由に変更することができます。
6. ウッドパネル
素材: 天然木、合成木材
デザイン: 木材の温かみと自然な質感が特徴です。モダンなデザインから伝統的なデザインまで対応でき、色や仕上げにバリエーションがあります。
特徴: 自然素材のため、定期的なメンテナンスが必要です。防腐処理や塗装が施された製品もあります。
これらの素材を組み合わせることで、より個性的で魅力的な外観を実現することができます。選択する際は、デザイン性だけでなく、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮すると良いでしょう。
スタイリッシュな外観の住宅設計方法を
スタイリッシュな外観の住宅設計には、デザインのコンセプトを明確にし、素材や形状、色彩などを考慮してバランスの取れた外観を実現することが重要です。以下はスタイリッシュな住宅設計のための具体的な方法とポイントです:
1. デザインコンセプトの決定
スタイルの選定: モダン、ミニマリスト、コンテンポラリー、スカンジナビアンなど、デザインスタイルを決めます。選んだスタイルに基づいて、外観の要素を統一します。
テーマの設定: 自然との調和や都市的な洗練など、テーマを設定して、外観全体の方向性を決めます。
2. 外観の形状とライン
シンプルでクリーンなライン: スタイリッシュな外観には、直線的でクリーンなラインが好まれます。余計な装飾を避け、シンプルな形状を選ぶと洗練された印象を与えます。
幾何学的な形状: 四角形や直線を基にした幾何学的なデザインは、現代的でスタイリッシュな外観を作り出します。
3. 素材とテクスチャーの選択
素材の組み合わせ: 木材、石、金属、コンクリートなど、異なる素材を組み合わせてテクスチャーや視覚的な興味を引きます。例えば、金属のパネルと木材のアクセントを組み合わせると、モダンで温かみのある外観が実現します。
質感の調整: 表面の質感にも注意を払い、滑らかさや粗さ、つやの有無でデザインに深みを加えます。
4. 色彩の選定
ニュートラルカラー: ホワイト、グレー、ブラックなどのニュートラルカラーは、シンプルで洗練された印象を与えます。アクセントカラーとして、明るい色やダークトーンを加えることで、外観に動きと深みを与えます。
カラーコーディネート: 色のバランスを考慮し、素材や形状と調和するように配色します。トーンやシェードの異なる色を使って、立体感や奥行きを演出します。
5. 窓とドアのデザイン
大きな窓: モダンなデザインでは、大きな窓やフロアから天井までの窓が好まれます。これにより、自然光が豊かに取り込まれ、開放感が得られます。
シャープなデザイン: 窓やドアの形状もシンプルでシャープなデザインにし、フレームを目立たせないことで洗練された印象にします。
6. 屋根のデザイン
フラットまたはシンプルな傾斜: スタイリッシュな外観には、フラットな屋根や、シンプルな傾斜の屋根がよく合います。屋根のラインがクリーンで、全体のデザインに調和します。
屋根材の選択: モダンなデザインには、金属やスレートなどのシンプルな屋根材がよく合います。
7. 外部照明とアクセサリー
洗練された照明: 外壁に取り付ける照明は、デザインに合わせて選びます。埋め込み式のライトやスリムなブラケットライトなどが、スタイリッシュな印象を与えます。
アクセサリーの選定: 簡素でモダンな外構アイテム(ポスト、手すりなど)を選び、全体のデザインに統一感を持たせます。
8. 緑化とランドスケープ
シンプルな植栽: 庭や外構においても、シンプルで整然とした植栽を選ぶと、スタイリッシュな外観にマッチします。グリーンや低木を使ってアクセントを加えます。
外部空間の利用: 屋上庭園やテラスなど、外部空間のデザインにも工夫を凝らし、住まいの外観と調和させます。
これらの要素を組み合わせて、外観全体を統一感のあるスタイリッシュなデザインに仕上げることができます。設計段階でこれらのポイントを意識し、トータルでバランスの取れたデザインを目指します。
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