設計した田園リゾート老人ホームのお庭。
4年経って、植物も根付いてようやくしっくりしてきた。植物は成長も繁茂もするし、根付かず淘汰もする。引き渡しから10年先にしっくりくる成長を考えて設計しています。
植物の生長を計算してお庭の完成を数年後に見込む理由はいくつかあります。
1. 植物の成長周期
成長速度の違い:
植物は幼苗から成熟に至るまで、成長速度が異なります。例えば、樹木は初期の成長が遅いことが多く、数年経ってから急激に成長することがあります。一方、低木や草花は比較的早く成長しますが、完全に成熟するにはそれなりの時間がかかります。お庭全体のデザインには、これらの成長速度を考慮して計画する必要があります。
植物の成熟に必要な時間:
植物が美しく成長し、意図した景観を形成するには時間がかかります。例えば、樹木が十分に高さに達し、葉が繁るまでには数年が必要です。花や果実をつける植物は、花や果実を生産するまでに一定の年数が必要です。果樹などは植え付けから収穫までに数年かかることが一般的です。
2. 時間軸を考慮したデザインとプランニング
計画段階:
お庭のデザインを決定する際には、植物の成長パターンや空間の使い方を考慮する必要があります。特定の植物がどのくらいの高さや広さに成長するかを把握し、その情報を基に全体のレイアウトを設計します。
植え付けの順序:
お庭のデザインによっては、植物の植え付けを段階的に行う必要があります。例えば、背の高い樹木を先に植えて、その周りに低木や花を植えるといった方法です。このプロセスには時間がかかります。
3. 環境整備
個人住宅のお庭ですと、殆ど手入れをしなくても良い庭の作り方もありますが、大きなお庭の場合は植物を植えたら終わりでは無く、その後の手入れが必要です。お庭のデザインや植え付け計画を立てる際には、将来的な成長を見越して調整する必要があります。また、設計した通りに成長するかどうかを確認するためには時間がかかります。
土壌の準備: 長期的な管理と調整
植物が健康に育つためには、土壌の質を整える必要があります。土壌の改良、pH調整、排水性の向上などが求められます。これには時間と労力が必要です。
灌漑と施肥:
植物が育つためには適切な水やりと施肥が不可欠です。特に新しく植えた植物は、定期的に水やりや肥料を与える必要があります。これを適切に管理するためには時間がかかります。
メンテナンス:
植物の成長には継続的な管理が必要です。剪定、病害虫の対策、雑草の除去など、これらの作業は数年にわたって続ける必要があります。
調整:
植物の成長に伴って、デザインや配置の調整が必要になることがあります。たとえば、ある植物が予想以上に大きくなった場合、その周囲の植物や景観に影響を与えるため、位置や形状を見直すことがあります。
4. 外的要因
気候と天候:
植物の成長には気候や天候が大きな影響を与えます。予期しない天候や気候変動が植物の成長に影響を与え、計画通りに進まないことがあります。
病害虫の影響:
病害虫の発生は、植物の成長を阻害する要因となります。これらの問題に対処するためには、早期発見と適切な対策が必要です。
これらの要因が複雑に絡み合って、お庭の完成には数年かかることがあるのです。全体として、植物が成熟し、美しい景観を作り出すためには、時間と努力が必要です。
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