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外観が美しく整う色の、扱い方。3っつの法則。色彩・素材・トンマナ(トーン&マナー)

執筆者の写真: t-oginot-ogino

家の外観を美しく整える3っつの法則

事例を見る:Case26「光をつかむ家(Lightfall House)・埼玉県川口市」


住宅の外観は!整える感覚で。


1)色を変えるなら、素材を変える

2)色の種類は限定する(2色?)

3)違う色でも似た部分がある色とする


住宅の外観はそもそも、色々な素材がわちゃわちゃしています。ガラス・アルミ・外壁・玄関扉・郵便受け・照明・室名札等。だからこそ色を「整える」ことが、美しくなるポイントで、整う法則があります。


1)色を変えるなら、素材を変える


ファッションチェック!一時、テレビで流行った巷で一般の方を捕まえて、着ている服の評論をする番組。昼休みにサボって。。。よく見てました。番組の中「差し色」って言葉よく聞きましたよね。その差し色は、服では無く、バックだったり、マフラーだったり、靴だったり服とは違う素材の場合が多いの気づきましたか?同じ様に、住宅で色を変えたい時は、違う素材を使いたいです。左官材の外壁に、木材を差し色にするなど、違う素材で色を変えるのがこつなんです。


2)色の種類は限定する


この住宅で使っている色は、黒・茶・グレー。

黒:サッシ・屋根・手摺・ポスト

茶:木製ルーバー(格子)・玄関扉・ポーチタイル・ポスト

グレー:外壁の左官材


3色に整えた事で、かえって色のメリハリがついて、グレーの背景に茶色が映えて見えませんか?黒は輪郭をつくって、締めた印象をつくります。


3)違う色でも似た部分がある色とする


メリハリつけながらも、素材がケンカするとシックリこない。そこで似た部分がある素材を使うと馴染みが良くなるんです。寒色系・暖色系で纏めるのもひとつですが、ここでは、斑が入った素材をつかって馴染ませています。


グレーの左官材は、墨を入れてちょっと模様(斑)が入っています。檜のルーバーは自然素材なので、木目が出て色むらがあり、玄関扉も木目の模様。まだらな、斑が入っている素材同志を使う事で、シックリ馴染ませてます。


黒の家

事例を見る:Case26「光をつかむ家(Lightfall House)・埼玉県川口市」


住宅の外観が美しく整う色の使い方


住宅の外観デザインにおける色の使い方は、全体の印象や美しさを大きく左右します。色の選び方次第で、家の雰囲気がモダンに見えたり、温かみのある印象を与えたりすることができます。以下に、外観デザインにおける色の使い方に関するポイントを詳しく説明します。


1. ベースカラー、アクセントカラー、トリムカラーのバランス

  • ベースカラー: 建物の外壁全体を占める主要な色です。ニュートラルカラー(白、グレー、ベージュ)や自然なトーン(木目調のブラウンなど)が多く使われ、落ち着いた印象を作ります。特にニュートラルな色は他の色と調和しやすく、長く飽きのこない選択です。


  • アクセントカラー: ドアや窓枠、シャッター、屋根などに使われる色です。ここで強調したい部分に鮮やかな色や濃い色を使うことで、外観にメリハリをつけます。例えば、黒やダークブルーのドアはモダンな印象を与えます。


  • トリムカラー: 窓枠やドアの周囲、縁取り部分に使用される色です。一般的にはベースカラーに対して薄めか暗めのトーンが選ばれ、外観全体に統一感を与えます。


2. 地域の景観や周辺環境との調和

住宅の色選びでは、周囲の自然環境や地域の雰囲気との調和を意識することが重要です。例えば、緑豊かなエリアでは、アースカラー(ブラウン、グリーン、ベージュ)が周囲と馴染みやすいです。また、海に近い地域では、青系や白系の爽やかな色合いが似合います。


3. モダン vs トラディショナルな色選び

  • モダンな外観: ブラック、グレー、ホワイトなどのモノトーンや、ミッドナイトブルー、ダークグリーンなどの深い色を取り入れるとモダンな雰囲気が強調されます。また、金属やガラス素材との組み合わせが未来的な印象を与えます。


  • トラディショナルな外観: 暖色系(オフホワイト、ベージュ、ライトブラウン、レンガ色)や柔らかなパステルトーンを使うと、クラシックで落ち着いた印象になります。木材や石材など自然素材との相性も良いです。


4. カラーコンビネーションの考え方

色を組み合わせる際には、3色程度を上手く使うのが基本です。これにより、統一感を持たせつつ、外観に深みや特徴を持たせられます。


  • モノトーンカラー: 同系色の濃淡を組み合わせる方法です。シンプルで洗練された印象を与えます。


  • コントラストカラー: 明暗や色味の差を強調して使う方法です。例えば、明るいベージュの外壁に、黒や深いブルーのドアやトリムを使うと、視覚的なインパクトが強くなります。


5. 天候や光の影響を考慮する

外壁の色は、太陽光の当たり具合や天候によって見え方が変わることがあります。晴れた日や曇りの日、夕方など異なる時間帯にどのように見えるかも考慮し、試し塗りをしてから最終決定するのがおすすめです。


6. メンテナンス性の考慮

外壁の色は、メンテナンスのしやすさにも影響します。たとえば、白や淡い色は汚れが目立ちやすいですが、逆に黒や濃い色は経年変化や色あせが目立つことがあります。耐久性のある塗料やコーティングを選ぶことで、長持ちさせることができます。


色の選び方で住宅の個性や魅力を引き出しながら、長く美しく保つためには全体のバランスや機能性も考慮することが大切です。


オレンジ色の住宅

住宅の外観を美しく整える方法


色を変えずに住宅の外観を美しく整えるために、素材選びが非常に効果的です。異なる素材を組み合わせることで、同じ色調でも質感や雰囲気に違いを持たせ、外観に深みや個性を与えることができます。以下に、素材を変えることで外観を魅力的に整える方法について詳しく説明します。


1. 異なる質感を組み合わせる

色は統一しても、素材の質感を変えることで建物全体に多様性や立体感が生まれます。たとえば、ツルツルした仕上がりとザラザラした仕上がりの素材を組み合わせると、視覚的なコントラストが生まれ、奥行きのある外観になります。


  • ツルツルした素材(ガラス、メタル): 反射性が高く、モダンで洗練された印象を与えます。例えば、金属パネルやガラスを使うと、都会的でクリーンな外観になります。


  • ザラザラした素材(石材、コンクリート、木材): 手触り感や自然な風合いを持つ素材です。特に石やコンクリートは、丈夫でありながら自然素材のような温かみを持っています。


2. 異なる素材を縦横に配置する

異なる素材を縦や横に分けて配置することで、外観に動きを出すことができます。例えば、水平ラインには石材やタイルを使い、垂直ラインには木材やコンクリートを使うと、構造が強調され、シャープな印象を与えます。


  • 石材と木材の組み合わせ: 自然素材同士ですが、質感が異なるため、洗練されたリッチな雰囲気を作り出すことができます。

  • 金属とコンクリートの組み合わせ: モダンな印象を強調する組み合わせで、シンプルながらも重厚感が出ます。


3. 木材の使い方で温かみを演出

木材は自然素材として、住宅の外観に温かみを与える要素としてよく使用されます。同じ色調のままでも、木目の方向や加工方法でさまざまな表情を出すことが可能です。


  • 縦貼り vs 横貼り: 縦貼りにすると背が高く見え、横貼りにすると安定感を出すことができます。

  • 天然木 vs 合成木材: 天然木は経年変化によって色が変わり、ナチュラルな雰囲気が増します。一方で、合成木材は耐久性が高く、メンテナンスがしやすい点が魅力です。


4. ガラスとメタルを使用したモダンな外観

ガラスやメタルの素材を活用することで、同じ色調でも未来的で洗練された印象を持たせることができます。


  • ガラスの使用: ガラスを多く使用すると、外観が透明感を持ち、内部と外部の境界が曖昧になるため、開放感を感じさせます。窓枠やバルコニーの一部をガラスで設計すると、モダンでクリーンな印象を与えます。

  • メタルの使用: 鉄やアルミニウムのパネルを使うと、都会的でインダストリアルな外観が作れます。特にシンプルな形状の住宅に合う素材です。


5. タイルやレンガでアクセントを加える

タイルやレンガは、同じ色調のままでも独特の風合いやパターンを加えることができる素材です。外壁の一部や門柱、玄関周りなどに使うと、シンプルなデザインでも目を引く外観になります。


  • レンガ: クラシックな印象を与える素材です。色のバリエーションも多く、組み合わせによって伝統的にもモダンにも演出が可能です。

  • タイル: 光沢のあるタイルや、マットなタイルなど、種類によって仕上がりが大きく異なります。小さなモザイクタイルを使うことで、細かなディテールを持つ外観が実現します。


6. コンクリートの使い方で重厚感とシンプルさを表現

コンクリートはそのままの素材感を活かすことで、無機質でクールな印象を与えます。特にシンプルでミニマリズムを意識したデザインに合います。


  • 打ちっぱなしコンクリート: そのままの素朴な仕上げで、モダンで無機質な外観を演出できます。色を変えずに素材そのものの風合いでデザインを楽しめます。

  • コンクリートパネル: 一部に使うことで、重厚感を加えたり、フレームのような効果を出すことができます。


7. 屋根やバルコニーの素材選び

外壁だけでなく、屋根やバルコニーの素材も外観のデザインに大きく影響します。金属製の屋根や木材を使ったバルコニー、ガラス製の手すりなど、さまざまな素材を使い分けることで、洗練されたデザインに仕上げられます。


  • 金属屋根: モダンで軽量、耐久性が高い素材です。シンプルなデザインにも、エッジの効いた外観にも合わせられます。

  • ウッドデッキ: バルコニーやテラス部分に木材を使うことで、リラックスした自然の雰囲気を出すことができます。


素材の違いを活かすことで、色のバリエーションに頼らずに住宅外観に変化をもたらすことができます。色を統一しながらも、素材感や配置の工夫で個性的で魅力的なデザインを作り上げることが可能です。


黄色と木の住宅外観

外観を美し整える時に、使う色の種類を限定する理由


住宅の外観を美しく整える際に、使用する色の種類を限定する理由は、視覚的な統一感やバランスを保ち、全体のデザインが調和するためです。色数を増やしすぎると、住宅が雑多な印象になったり、要素が競合して落ち着きがなくなることがあります。以下に、色の種類を限定することの具体的な利点について詳しく説明します。


1. 統一感と調和の確保

複数の色を使いすぎると、外観全体がバラバラでまとまりのない印象になりがちです。一方、色数を限定することで、外観全体に統一感が生まれ、建物全体が一体として見えるようになります。統一感は建物の美しさを際立たせ、シンプルで洗練された印象を与えます。


  • 統一感のあるデザインは、特に長期間住む家では、住む人や周囲に穏やかな印象を与えるため、落ち着いた環境を提供します。

  • 色の制約があることで、アクセントや素材を工夫する余地が生まれ、よりデザインに凝った演出が可能になります。


2. 視覚的なバランスとバリアンスの調整

外観は、複数の要素(外壁、屋根、窓枠、ドアなど)が一緒に配置されますが、色が多すぎると視覚的に散漫になり、どこに視線を集中させればよいか分からなくなります。色を限定することで、視覚的なバランスが整い、目に優しく美しい仕上がりになります。


  • 主役と脇役を明確に: 色を限定すると、建物の中で強調したい部分や機能的な部分がはっきりします。例えば、外壁全体をニュートラルな色にし、ドアや窓枠など一部に鮮やかな色を使うことで、バランスよく目を引くデザインが作れます。

  • 視線の誘導: 色が少ないことで、特定の要素(玄関やバルコニーなど)に視線を誘導しやすくなります。これにより、外観に意図的な動きやリズムを生み出せます。


3. 色の持つ心理的影響

色は心理的な影響を与えやすいため、住宅全体で多くの色を使いすぎると、見た人に不安定や混乱といったネガティブな感情を与えることがあります。逆に、少数の色に絞ると、落ち着いた、安心感のある雰囲気を作ることができます。


  • ニュートラルカラーの安定感: ホワイト、グレー、ベージュなどのニュートラルカラーは、心理的に落ち着きや安定感をもたらします。これにより、外観に余計な派手さを持たせず、品格のある住宅になります。

  • 色数の少ないデザインは、シンプルで洗練された印象を与えるため、居住者や訪問者にリラックス感を与えます。


4. 時間と経年変化に強いデザイン

色の種類を限定することで、経年劣化やトレンドの変化にも強いデザインを作ることができます。住宅は長く住むものであり、年を重ねても美しいと感じられる外観を保つためには、色の選定が重要です。


  • 流行に左右されない色選び: トレンドに左右されやすい派手な色や、流行色を使いすぎると数年後には時代遅れに感じることがあります。しかし、ニュートラルで落ち着いた色合いを中心に使用すれば、どんな時代にも通じるシンプルでタイムレスなデザインに仕上がります。

  • メンテナンスのしやすさ: 外壁の色は時間とともに日光や雨風で色あせや劣化が生じます。シンプルな色使いは、塗り直しの際にもメンテナンスが容易であり、色の経年変化が目立ちにくいのが特徴です。


5. 建物の形状や素材を引き立てる

色を限定することで、建物の形状や素材自体が引き立ちます。複雑な形状や、個性的な素材(木材、石材、メタルなど)を使用する場合、色数を抑えると、素材の質感やデザインのラインが際立ち、外観全体に高級感や品位を持たせることができます。


  • 素材の質感を活かす: 色を控えめにすると、素材自体の風合いやディテールが強調されます。例えば、木材や石材の自然なテクスチャーは、カラフルなペイントではなく、シンプルな色調でこそその魅力が引き立ちます。

  • モダンなシルエット: 現代的なシンプルな建物のデザインには、少ない色使いがぴったりです。色が少ないことで、建物のシャープなラインや幾何学的な形状がよりクリアに見え、モダンでスタイリッシュな印象を強めます。


6. コストと効率の向上

外観に使う色の種類を限定することで、塗料や施工のコストも削減できます。色を多用するデザインは、塗り分けや素材の選定に手間がかかるため、結果的に工期やコストが増えることがあります。


  • シンプルな色使いによるコスト削減: 例えば、ベースカラー1色とアクセントカラー1〜2色で設計することで、塗装作業の効率が向上し、メンテナンスの手間も軽減されます。

  • 材料の選定が簡単: 色数が少ないと、素材や塗料の選定もシンプルになります。結果的に建設やリフォーム時の調整や管理が容易になります。


色の種類を限定することは、外観デザインにおいて視覚的な整理、心理的な効果、長期的な美しさ、コストの効率など、多くのメリットがあります。シンプルな色使いでありながらも、素材やディテールにこだわることで、洗練された住宅外観が完成します。



住まいの設計・計画の解説

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