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執筆者の写真t-ogino

錆加工したコールテン鋼板のサイン製作とコールテン鋼を素材にしたリノベーションオフィス工事(東京都板橋区)

更新日:9月1日


コールテン鋼の受付サイン

錆(サビ)加工した、コールテン鋼板でサインを製作しました。

サビを出す薬剤がちょっと液垂れしていますね。

(それもカッコイイ)

時間を置くと、もう少し錆がたってきます。


時間の経過で姿が変わる素材っていいですね。

楽しみだ。

コールテン鋼のサインと受付照明

陰影が浮きでる仄暗さが、かえって素材を美しく見せてくれました。

コンクリート打ち放し、コールテン鋼、シナ合板オスモローズウッド、艶消しのブラック塗装。


影って美しい。

完成まで、後ちょっとだ。



コールテン鋼のリノベーションでの使い方


コールテン鋼(Corten steel)は、耐候性鋼とも呼ばれる素材で、時間が経つと表面に自然な錆が形成され、それがさらに耐候性を高める特徴があります。この特性を生かして、インテリアデザインにおいてもユニークで魅力的な素材として使用されています。以下は、コールテン鋼をインテリアデザインに取り入れる際の使い方と注意点です。


1. アクセントウォール

  • コールテン鋼を壁材として使用することで、空間に温かみと質感を加えることができます。リビングルームやダイニングルームのアクセントウォールとして使用することで、独特の存在感を演出します。

  • 錆びた表面が視覚的な深みを与え、他の素材(木材、コンクリート、ガラスなど)とのコントラストが強調されます。


2. 家具とインテリアアイテム

  • コールテン鋼を使用した家具(例えばテーブル、チェア、シェルフなど)は、インダストリアルでありながらも洗練された印象を与えます。

  • 小物やアートピースとしても利用され、シンプルなデザインの中に素材の美しさが際立つような作品を作ることができます。


3. 暖炉の周りの装飾

  • コールテン鋼の耐火性を利用して、暖炉の周りの装飾材として使用することも人気があります。錆びた風合いが火の暖かさと調和し、居心地の良い空間を作り出します。


4. 屋内・屋外の仕切り

  • オープンスペースを区切るためのパーティションや仕切りとしてもコールテン鋼は使用されます。半透明な仕切りとしての使用は、視覚的なつながりを保ちながらもプライバシーを確保します。

  • 屋外からの眺めと連続性を持たせたい場合、コールテン鋼の仕切りを使用することで、自然な調和を生むことができます。


5. 照明器具

  • コールテン鋼で作られた照明器具は、独特の陰影を生み出し、空間にドラマティックな雰囲気を与えます。ペンダントライトやフロアランプのシェードとして使用されることが多いです。


6. 階段や手すり

  • コールテン鋼の階段や手すりは、インダストリアルな美しさを強調し、空間に現代的なアクセントを加えます。また、耐久性も高いため実用性も兼ね備えています。


7. カウンタートップやキッチンアイランド

  • キッチンにおいても、コールテン鋼はカウンタートップやキッチンアイランドの表面材として使用されることがあります。独特の風合いがキッチンの中心に視線を集め、モダンで洗練された印象を作り出します。


コールテン鋼をインテリアに取り入れる際の注意点

  1. 錆びの管理: コールテン鋼の錆は美しいですが、錆びすぎると表面が劣化する可能性があります。インテリアに使用する際は、適切なコーティングやメンテナンスが必要です。

  2. 設置環境: 湿度の高い環境では、錆が広がりやすいため、使用場所に応じた防錆処理が重要です。

  3. 触感と安全性: 鋭利なエッジを持つ場合があるため、安全性を考慮してエッジを滑らかに仕上げることが推奨されます。


コールテン鋼をインテリアデザインに取り入れることで、モダンでありながら自然な温かみを感じる空間を作り出すことができます。適切な管理とメンテナンスを行うことで、その美しさを長く保つことができます。


コールテン鋼とは


コールテン鋼(Corten steel)は、「耐候性鋼」とも呼ばれる特殊な鋼材です。正式には「耐候性高張力鋼」として知られており、耐食性を高めるために設計された鋼材です。コールテン鋼は、「Cor-Ten」という商標名で、「Corrosion resistance」(耐食性)と「Tensile strength」(引張強度)という特性を組み合わせた名前が由来です。


コールテン鋼の特徴

  1. 自然な錆(酸化被膜)の形成:

    • コールテン鋼の最も特徴的な点は、表面に自然に錆が形成され、それが保護層として機能することです。この錆層は酸化被膜と呼ばれ、外部の腐食因子(酸素や水分)から鋼を守ります。通常の鋼材は錆が内部まで進行することがありますが、コールテン鋼の錆層はそれを防ぎます。


  2. 高い耐食性:

    • コールテン鋼は通常の炭素鋼と比較して耐食性が高く、特に湿気の多い環境や雨にさらされる場所で効果を発揮します。そのため、メンテナンスの頻度を減らし、長期間にわたって使用できる材料です。


  3. 美しい外観:

    • 時間の経過とともに変化する外観が魅力的です。初めは金属のグレーですが、徐々にオレンジや茶色の錆色に変わり、独特の風合いを持つ表面になります。この風合いは自然の経年変化を感じさせ、建築や彫刻作品に独自の美学をもたらします。


  4. 高い強度と耐久性:

    • コールテン鋼は高い引張強度を持ち、構造物の材料として適しています。また、鋼の基本的な特性を持ちながらも、耐候性が向上しているため、過酷な環境下でも長寿命を保つことができます。


コールテン鋼の主な用途

  1. 建築:

    • 建物の外装や屋根材、ファサード、カーテンウォールに使用されることが多いです。その耐候性と美しい風合いから、モダンなデザインやインダストリアルなスタイルの建築に適しています。


  2. ランドスケープデザイン:

    • 庭園や公園のフェンス、壁、植栽ベッドなどに使用されます。自然な錆色が植物や土と調和し、景観に溶け込むデザインが可能です。


  3. 橋梁やインフラ:

    • 橋の梁やガードレールなど、耐久性と耐候性が要求されるインフラストラクチャに広く使用されています。


  4. 彫刻やモニュメント:

    • 錆びた風合いがアーティスティックな印象を与えるため、彫刻や公共のモニュメントなどの芸術作品にも用いられます。


  5. インテリアデザイン:

    • 室内のアクセントウォール、家具、照明器具などにコールテン鋼が使用され、独特の質感と色合いを楽しむことができます。


コールテン鋼の成分と加工

  • コールテン鋼には、主に銅、クロム、ニッケルの微量元素が含まれており、これらが錆びの進行を抑え、表面に安定した錆層を形成する役割を果たします。

  • 加工は通常の鋼材と同様に行うことができますが、錆びた表面を保護するための特別な処理が施されることがあります。


コールテン鋼の取り扱いとメンテナンス

  1. 初期錆びの進行管理:

    • 初期段階で表面の錆を意図的に進行させるために水をかけたり、湿気を与える処理が行われることがあります。


  2. 定期的なメンテナンス:

    • 一般に、コールテン鋼は特別なメンテナンスを必要としませんが、特定の環境(塩分が多い場所や高湿度の地域)では錆の進行が速くなる可能性があるため、注意が必要です。


注意点

  • コールテン鋼は自然な錆びが美しいとされていますが、その錆が他の材料(例えばコンクリートや石材)に移ることがあります。設置場所や隣接する素材には注意が必要です。


  • 錆びの初期段階では表面がざらつきやすいため、屋内で使用する場合は触感に気を付ける必要があります。


コールテン鋼はその耐候性と美しい経年変化により、建築、インテリア、ランドスケープ、アート作品など幅広い分野で人気のある素材です。適切に使用することで、長期間にわたってその魅力を発揮し続けます。


コールテン鋼の錆加工の方法


コールテン鋼(Corten steel)の錆加工は、鋼材の表面に自然な錆層(酸化被膜)を意図的に形成するプロセスです。この錆層がコールテン鋼の特徴であり、保護機能を果たします。以下では、コールテン鋼の錆加工の方法とその詳細について説明します。


コールテン鋼の錆加工の目的と概要

コールテン鋼の錆加工は、鋼材の耐久性を高めるために行います。錆は通常、鋼材の劣化の原因とされますが、コールテン鋼の場合、表面に錆が形成されることで、その錆自体が保護層となり、内部の鋼材を守るという特性を持っています。この錆層が外部からの酸素や水分を遮断し、さらに錆が進行しないようにします。


錆加工の方法

コールテン鋼の錆加工は、主に自然のプロセスに委ねる方法と、人工的に錆を発生させる方法の2つに大別されます。


1. 自然な錆の形成

  • 経年変化: コールテン鋼は、屋外に放置しておくと自然に錆が形成されます。通常、1〜2年かけて表面が均一に錆びていきます。湿気や雨風、日光などの環境条件が錆の形成に寄与します。

  • 必要な条件: 自然な錆の形成には、空気中の酸素と水分が必要です。適度な湿度と温度変化がある環境であれば、錆の形成が促進されます。

  • 結果: 自然な方法で錆が形成された場合、均一で美しい錆層ができ、鋼材全体を保護します。


2. 人工的な錆加工(エイジング)

人工的に錆を形成する場合は、錆の進行を早めるための化学薬品を使用する方法が一般的です。この方法は、短期間で均一な錆層を形成するために利用されます。


  • 表面の準備: 錆加工を始める前に、コールテン鋼の表面をクリーンにする必要があります。油分や汚れが付着していると錆が均一に形成されないため、酸性洗剤やサンドブラストなどで表面を清掃します。


  • 酸性溶液の適用: 錆を発生させるために、酸性の溶液を使用します。一般的な薬品としては、塩化アンモニウム(NH₄Cl)や塩酸(HCl)を希釈した溶液が使用されます。これをスプレーボトルに入れ、コールテン鋼の表面に均一にスプレーします。

    • 塩化アンモニウム溶液の使用: 塩化アンモニウムを水に溶かした溶液(約5~10%の濃度)がよく使用されます。これをコールテン鋼の表面にスプレーし、乾燥させると錆が急速に形成されます。

    • 酢酸溶液: 家庭用酢を水で希釈した溶液も使われることがあります。こちらもスプレーして乾燥させると錆が発生します。


  • 湿度と乾燥の繰り返し: 錆の進行を早めるために、鋼材を湿らせて乾燥させるサイクルを繰り返します。このプロセスは錆の形成を安定させ、均一な錆層を作り出します。


  • 複数回の処理: 錆の濃さやパターンを調整するために、複数回の処理が行われることが多いです。望ましい錆の外観が得られるまで、このプロセスを繰り返します。


  • 中和と洗浄: 望ましい錆が形成されたら、酸性溶液の作用を中和するために中性洗剤で洗浄し、表面を中和します。これにより、錆の進行が適度なレベルで止まります。


  • 保護コーティング(オプション): 完成した錆層を保護し、長期間維持するために、クリアコートを塗布することもあります。これにより、錆びた表面が剥がれたり、他の素材に錆が移るのを防ぎます。


錆加工の際の注意点

  1. 安全性: 錆加工に使用する薬品は強い酸性を持つ場合が多く、皮膚や目に触れると危険です。適切な保護具(ゴーグル、手袋、マスク)を着用し、換気の良い場所で作業を行うことが重要です。


  2. 均一性の確保: 錆のパターンが均一でない場合、仕上がりにムラが生じることがあります。スプレーのかけ方や乾燥方法に注意を払い、均一な錆を得るために適切な手法を用いる必要があります。


  3. 環境への配慮: 錆加工の際に使用する薬品や処理後の廃液は、適切に処理する必要があります。環境への影響を考慮し、廃液の処理は法規に従って行うことが重要です。


  4. 長期的なメンテナンス: 錆加工後も、コールテン鋼の状態を定期的にチェックし、必要に応じてメンテナンスを行うことが推奨されます。錆が過度に進行しないように管理することが重要です。


コールテン鋼の錆加工は、その特有の美しさと保護機能を持つ錆層を形成するための重要なプロセスです。自然な方法と人工的な方法のどちらを選ぶかは、使用環境やデザインの意図に応じて決定されます。適切な方法で錆加工を行うことで、コールテン鋼の特性を最大限に引き出し、美しく耐久性のある仕上がりを得ることができます。


コールテン鋼と黒の仕上の組み合わせの美しさ


コールテン鋼と黒の仕上げの組み合わせは、非常に洗練された美しさと独特の存在感を持ち、建築やインテリアデザインで人気の高い組み合わせです。この2つの要素がもたらすコントラストと調和は、視覚的に印象的であり、さまざまなデザインスタイルで活用されています。以下に、その美しさの特徴と活用例を詳しく説明します。


コールテン鋼と黒の仕上げの美しさの特徴

  1. コントラストと調和のバランス:

    • コールテン鋼の自然な錆び色は、暖かみのあるオレンジや茶色のトーンを持ち、黒の仕上げのクールで洗練された質感と対照的です。このコントラストが、視覚的な興味を引き、空間に深みとダイナミズムを加えます。

    • 錆びた表面が自然な経年変化を感じさせる一方で、黒の仕上げは現代的でモダンな印象を与えます。これにより、時間の経過と共に変化する要素と、永続的で洗練された要素が共存し、豊かなデザイン体験を提供します。


  2. テクスチャの対比:

    • コールテン鋼の錆びた表面は、粗くてざらついたテクスチャを持っています。これに対して、黒の仕上げは一般的に滑らかで光沢のある、またはマットなテクスチャです。このテクスチャの対比が、視覚的な深みと触覚的な興味を引き立てます。

    • 黒の仕上げはコールテン鋼の荒々しさを引き締め、全体的なデザインを洗練されたものにします。結果として、インダストリアルでありながらもエレガントな雰囲気が生まれます。


  3. 多用途性と適応性:

    • この組み合わせは、インダストリアルスタイルのインテリアだけでなく、モダン、ミニマリスト、さらには伝統的なスタイルにも適しています。特に、自然素材(木材や石)と組み合わせることで、より一層調和の取れた空間を作り出します。

    • コールテン鋼の錆色が空間に温かみをもたらす一方で、黒の仕上げがスタイリッシュで控えめな背景を提供するため、全体としてバランスの取れたデザインが実現します。


  4. 時代を超えた美しさ:

    • コールテン鋼と黒の組み合わせは、一時的な流行に依存しない、時代を超えた美しさを持っています。錆の経年変化が常に新鮮な表情を提供し、黒の仕上げが一貫した洗練さを保つことで、長期間にわたり魅力を維持することができます。


具体的な活用例

  1. ファサードと外装デザイン:

    • コールテン鋼の錆びたパネルと黒の金属フレームを組み合わせたファサードデザインは、現代建築において非常に人気があります。錆び色のパネルが建物に個性と魅力を与え、黒のフレームが構造のシャープなラインを強調します。

    • 大型のコールテン鋼の壁面やゲートと、黒の仕上げの窓枠やドアフレームとの組み合わせは、洗練された外観を生み出します。


  2. インテリアデザイン:

    • リビングルームやダイニングルームのアクセントウォールにコールテン鋼を使用し、家具や照明器具に黒の仕上げを取り入れることで、モダンでスタイリッシュな空間が完成します。たとえば、錆びたコールテン鋼の壁面に対して、黒のソファやテーブルを配置することで、空間に統一感が生まれます。

    • キッチンでは、コールテン鋼のアイランドカウンターと黒のキャビネットや家電を組み合わせることで、シックで洗練された雰囲気を作り出すことができます。


  3. 家具とインテリアアクセサリー:

    • コールテン鋼を使用したテーブルトップと黒の金属フレームの組み合わせは、モダンなインダストリアルデザインの家具に最適です。シンプルでありながらも視覚的に強いインパクトを与えるデザインになります。

    • 錆びたコールテン鋼のアートピースや彫刻を黒の背景に配置することで、作品のディテールが際立ち、視覚的な焦点が強調されます。


  4. 屋外空間のデザイン:

    • 庭園やパティオエリアで、コールテン鋼のプランターやフェンスと黒の石材やタイルを組み合わせることで、自然と調和したモダンなアウトドアスペースを作り出すことができます。

    • コールテン鋼の錆びた色合いが植物の緑と調和し、黒の仕上げが全体のデザインを引き締める役割を果たします。


デザインにおけるポイント

  1. 光の使い方:

    • 照明が重要な役割を果たします。コールテン鋼の錆びた表面は、光を受ける角度によって色合いが変わり、黒の仕上げが影を作ることで、空間にドラマティックな効果を生み出します。間接照明やスポットライトを使用して、錆のテクスチャや色合いを強調することができます。


  2. 素材のバランス:

    • 黒とコールテン鋼の割合をバランスよく配置することで、空間全体の調和を図ります。どちらか一方が過剰にならないように、他のニュートラルカラー(グレー、ベージュ、ホワイトなど)を適度に取り入れ、バランスを取ることが重要です。


  3. メンテナンス:

    • 錆びたコールテン鋼はそのままの風合いを楽しむために特別なメンテナンスを必要としませんが、黒の仕上げ部分は埃や指紋が目立ちやすいため、定期的な清掃が必要です。


コールテン鋼と黒の仕上げの組み合わせは、温かみとクールさ、自然な質感と洗練された美しさを同時に表現できる、非常に魅力的なデザインの選択肢です。この2つの素材が持つ独特のテクスチャと色のコントラストが、現代的でありながらも時代を超えた美しさを空間に与え、建築やインテリアデザインにおいて広く活用されています。



オフィス設計プロジェクトの解説


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