猫の家、柱梁・構造壁の工事も完了し、内部の工事が少しづつ始まっています。
ここまで来ると、空間の形がわかる様になり、どんな部屋になるか想像が出来るので一度、施主・オーナーに見て貰いたいなと、現場工事の見学に来て貰いました。
図面以上に広く感じるね~、中庭つくって良かったー!目線は隠れるね!などと実際の建物の感覚を感じていただき好評でした。
ここからは内装工事に徐々に入っていきます。
猫の家のインテリアのポイントはずばり、キャットウォークとキャットステップのデザイン。
猫達が楽しく遊べる事と、可愛らしいビジュアルになる事両方を兼ね備えたデザインをしてみました。
キャットステップ・キャットウォークの形
天井の近いところを、猫がトコトコと歩くキャットウォーク。
ただ歩くだけで無く、な~んとなく隠れる場所がほしい意。
人と同じで猫にも居場所・居心地の良い場が必要だ!ということで、隠れる箱を作っています。
箱には顔を出す丸い窓をつけて、可愛らしくしています。
キャットウォークに上がる、キャットステップは飾り棚になる配置のデザインにしています。
この配置のプロポーションも結構大事。
猫たちが、ひょいひょい上がって行くのが想像出来ます。
猫たちと言いましたが、この家3匹の多頭飼いを想定しています。。。。。賃貸住宅なのですが、なんともめずらしい。
斜めの天井に沿わせる
猫の家、3階は屋根なりに斜めの空間が広がっています。
大工さんが、テキパキ作業してくれていますね。
この斜めの高い天井空間は、人の空間では無く、猫の空間になります。
猫は高いところが好き。
人の生活は猫に見下ろされる、生活になります。
ちょっと不思議で楽しい感覚です。
色のトーン
インテリアをデザインする時、色のトーンを考えます。
今回も明るいトーンがいいのか、シックなトーンが良いのか検討しました。
さて、どちらになるのでしょう??
キャットウォークとは
キャットウォークとは、猫が家の中を移動するために設けられた通路や歩道のことです。通常は壁に取り付けられたり、天井から吊るされたりしていて、猫が高い場所を歩いたり、跳ねたりするのに使います。キャットウォークを取り入れることで、猫にとって遊び場や運動の機会を増やし、室内での活動量を確保できます。
キャットウォークにはいくつかの形態があります:
壁に取り付けるタイプ: 壁に取り付けることで、猫が高さを利用して移動できるようにします。棚や板を使って、階段のような設置も可能です。
天井から吊るすタイプ: 天井から吊るして使うタイプもあり、これにより猫が垂直に移動することができます。
キャットツリーと連携: キャットツリーと呼ばれる専用の家具と組み合わせて使うこともあります。キャットツリーにはキャットウォークが組み込まれていることもあります。
キャットウォークはデザインや素材にバリエーションがあり、家のインテリアに合わせてカスタマイズすることができます。
キャットステップとは
キャットステップ(Cat Steps)は、猫が高い場所に移動したり、壁や棚を登るためのステップや階段のことです。キャットウォークと似た目的で使用されますが、キャットステップは通常、垂直に近い距離を登るためのステップや階段が設置されています。
キャットステップの特徴と利点:
移動の補助: 猫が高い場所にあるベッドや棚、窓際などに簡単にアクセスできるようにします。特に、高い場所に登るのが難しい年配の猫や体調が優れない猫に便利です。
遊び場: 猫は高い場所で遊ぶのが好きな動物です。キャットステップは、猫が家の中で遊ぶための良いエンターテインメントや運動の機会を提供します。
インテリアに合わせたデザイン: キャットステップは、家のインテリアに合わせてデザインすることができ、見た目にもこだわることができます。素材や色、サイズを選んで、部屋の雰囲気に合ったキャットステップを作ることができます。
取り付け方法: キャットステップは、壁に取り付けたり、キャットツリーの一部として使ったり、専用のフレームに取り付けることができます。取り付け場所や高さを調整することで、猫が使いやすいようにカスタマイズできます。
キャットステップは、猫が快適に過ごせるようにするための便利なアイテムであり、猫の健康と幸福をサポートするのに役立ちます。
キャットウォーク、キャットウォークの設計方法
キャットウォークの設計方法について詳しく説明します。キャットウォークは、猫が家の中を移動し、遊ぶための高い通路や歩道です。以下のステップに従って、効果的なキャットウォークを設計することができます。
1. 目的とニーズの確認
目的: キャットウォークを設置する目的を明確にします。例えば、猫の運動不足解消、遊び場の提供、インテリアとの調和などです。
猫の特性: 飼っている猫の年齢、健康状態、活動レベルを考慮します。高い場所が好きな猫や、年配の猫のために配慮が必要です。
2. 場所の選定
通路の経路: どこにキャットウォークを設置するか決めます。通常は、猫が登ったり歩いたりするための高い位置(棚やキャットツリーなど)を選びます。
周囲の安全性: キャットウォークを設置する場所が安全であることを確認します。落下の危険がないように、設置場所を選びます。
3. 設計の計画
高さと角度: キャットウォークの高さと角度を決定します。猫が無理なく移動できるように、段差が急すぎないように設計します。目安として、20-30cmの段差が適切です。
長さと幅: 通路の長さと幅を決めます。猫が快適に歩けるように、幅は20-30cm程度が推奨されます。
4. 材料と構造
材料選び: 木材、プラスチック、布、カーペットなど、猫が歩くのに適した素材を選びます。滑りにくい素材や、爪で引っ掻いても安全なものを選ぶと良いでしょう。
構造: キャットウォークの構造を決めます。棚状にしたり、階段状にしたり、斜めに設置するなどの設計が考えられます。
5. 取り付け
取り付け場所: キャットウォークを取り付ける場所にマークを付け、取り付け位置を確認します。
固定方法: 壁に取り付ける場合は、しっかりと固定できる金具やブラケットを使用します。天井から吊るす場合は、強度のあるロープやチェーンを使います。
安全対策: 取り付け後、しっかりと固定されているか確認し、猫が安心して使えるようにします。
6. 仕上げと調整
仕上げ: キャットウォークの表面を滑らかに仕上げます。カーペットや布を貼ると、猫の足に優しくなります。
調整: 猫が実際に使ってみて、必要に応じて調整を行います。高さや幅を調整して、猫が快適に使えるようにします。
7. 安全性の確認
検査: キャットウォークがしっかりと固定されているか、猫が安全に使える状態か確認します。定期的に点検し、必要に応じてメンテナンスを行います。
キャットウォークを設計する際には、猫の安全と快適さを最優先に考えながら、家のインテリアやスペースに合わせてカスタマイズすることが重要です。
キャットウォーク、キャットステップの設計注意点
キャットウォークやキャットステップを設計する際の注意点は、猫の安全と快適さを確保するために非常に重要です。以下に、設計時の主な注意点を詳しく説明します。
1. 安全性の確保
固定の安定性: キャットウォークやキャットステップはしっかりと固定されている必要があります。強度のある金具やブラケットを使用し、設置後にぐらつきがないか確認します。取り付け部分が壁や天井にしっかりと固定されていることを確認してください。
落下の危険: 高さを利用する設置においては、落下の危険を最小限に抑える必要があります。特に、設置が高い場所にある場合は、猫が安全に利用できるように配慮します。
2. 素材の選定
滑り止め: キャットウォークの表面は滑りにくい素材を選びましょう。滑りやすい素材は猫が歩く際に事故の原因となることがあります。カーペットや布、ラバーシートなどの素材が適しています。
耐久性: 使用する素材が耐久性のあるものであることが重要です。猫の爪や体重に耐えられる強度を持った素材を選びましょう。
3. サイズとデザイン
幅と高さ: キャットウォークやキャットステップの幅は、猫が快適に歩ける広さを確保します。一般的には20-30cmの幅が適切です。高さや段差も猫が無理なく利用できるように、急な角度や高すぎる位置を避けます。
適切な角度: ステップやウォークの角度は、猫が登りやすいように設計します。通常、15-30度の角度が推奨されます。急すぎる傾斜は猫にとって難しい場合があります。
4. アクセスと使い勝手
猫の特性: 猫の年齢や体調に応じた設計が必要です。高齢の猫や病気の猫には、低い位置や段差の少ない設計が適しています。
アクセスの確保: 猫がキャットウォークにアクセスできるように、十分なスペースを確保します。階段やスロープを用意するのも良いアイデアです。
5. インテリアとの調和
デザインの統一: キャットウォークやキャットステップは、家のインテリアに調和するデザインにすることができます。素材や色、形状を選んで、部屋の雰囲気に合わせます。
取り付け位置: インテリアの邪魔にならない位置に取り付けるようにし、日常生活に支障をきたさないように配慮します。
6. メンテナンスと清掃
清掃のしやすさ: キャットウォークやキャットステップは、清掃しやすい素材を選びましょう。定期的に掃除できるように設計します。
点検とメンテナンス: 定期的に点検し、緩みや破損がないか確認します。猫の爪が引っ掛からないように、表面をチェックし、必要に応じて修理やメンテナンスを行います。
7. 猫の安全
角や端の処理: 角や端が鋭いと猫が怪我をする可能性があるため、角を丸めるか、柔らかい素材でカバーすることを検討します。
刺激やストレス: 新しいキャットウォークやキャットステップが猫にとってストレスになる可能性があるため、設置後は猫が慣れる時間を持たせ、必要に応じて調整を行います。
これらの注意点を考慮して、キャットウォークやキャットステップを設計することで、猫が安全で快適に過ごせる環境を整えることができます。
猫の多頭飼いをする住宅の設計について
猫の多頭飼いを考慮した住宅設計は、猫たちが快適に過ごせるようにするために特別な配慮が必要です。多頭飼いの猫たちがストレスを感じず、安心して生活できるようにするための設計のポイントを詳しく説明します。
1. 十分なスペースの確保
広さの確保: 猫が快適に生活できるように、十分な広さを確保します。特に、猫同士の関係や活動スペースを考慮して、広めのリビングや寝室を用意します。
専用エリア: 猫たちがそれぞれに落ち着けるスペースを作るために、専用のエリアを確保します。個々の猫が安心できる場所を提供することで、ストレスを減らせます。
2. 垂直スペースの利用
キャットウォークやキャットツリー: 壁に取り付けるキャットウォークやキャットツリーを設置し、猫が高い場所に登ったり、遊んだりできるスペースを提供します。これにより、猫たちは自分の領域を持つことができます。
棚やキャットステップ: 高い位置に棚やキャットステップを設置し、猫たちが自由に移動できるようにします。特に、ケンカやストレスを避けるために、避難場所を設けると良いでしょう。
3. トイレの数と配置
トイレの数: 猫の数に応じて、トイレの数を決めます。一般的には、猫の数+1個のトイレを用意するのが理想です。これにより、猫たちがストレスなくトイレを利用できるようになります。
トイレの配置: トイレを複数の場所に配置し、猫たちがアクセスしやすいようにします。トイレの場所が重なると、猫同士の争いが起こる可能性があるため、分散して設置することが推奨されます。
4. 食事と水のエリア
食事エリアの分散: 猫たちの食事エリアを複数用意し、猫同士が競争することなく食事を取れるようにします。個々の猫が安心して食事できる場所を確保します。
水飲み場: 水飲み場も複数設けると良いでしょう。猫たちが水を飲むために争わないように、アクセスしやすい位置に配置します。
5. ストレス管理と快適な環境
隠れ場所: 猫が自分だけの空間を持てるように、隠れ場所やベッドを設置します。キャットキャビネットやキャットハウスなど、個々の猫が落ち着ける場所を提供します。
爪研ぎ用具: キャットツリーや爪研ぎポストを設置し、猫が爪を研ぐことができる場所を用意します。爪研ぎを行うことで、家具やカーペットの破損を防ぐことができます。
6. 社会的な配慮
猫同士の関係: 猫の性格や相性を考慮し、猫同士の関係をサポートするための設計を行います。問題が発生しそうな場合は、別々のエリアを設けて、猫同士が接触しないようにすることもあります。
交流の機会: 猫たちが自然に交流できる場所や、遊びの機会を提供します。共同で遊ぶことができるおもちゃや活動スペースを用意することで、猫たちのストレスを軽減できます。
7. 清掃とメンテナンス
清掃のしやすさ: 猫の毛や砂が落ちやすい場所を考慮し、掃除がしやすい素材やレイアウトを選びます。床材や壁の掃除が簡単なものを選ぶと良いでしょう。
換気: 良好な換気を確保し、臭いや湿気を防ぐことが重要です。通気性の良い部屋や換気扇を設置することで、猫の健康を守ります。
8. 猫の個性に合わせた設計
特別なニーズ: 猫たちの個別のニーズを考慮し、特定の猫に必要な設備や配置を検討します。例えば、若い猫には運動できるスペースを、年配の猫にはアクセスしやすいスペースを提供します。
猫の多頭飼いのための住宅設計は、猫たちの幸福と安全を確保するための大切な要素です。猫たちが快適に過ごせる環境を整えることで、家族全員がより良い生活を送ることができます。
賃貸集合住宅(マンション・アパート)設計プロジェクトの解説