照明は、空間の印象を大きく左右します。
特に間接照明は、質高い落ち着きと華やかさを合わせ持った空間の演出にぴったりです。
壁や床の仕上げ材以上に、場のイメージを大きく変える間接照明。
間接照明は、建築化照明とも言われその中で人気の、コーブ照明、コーニス照明について紹介します。
間接照明とは
建築化照明とも言われる間接照明とは何でしょうか?
照明器具は普通、目に見える場所に設置されています。
天井から吊るされた、ペンダントライトなどのおしゃれな照明器具や、天井につけられた円形のシーリングライトなどが一般的な照明ですが、間接照明は、天井や壁の中に埋め込み、照明器具が目に見えない隠してしまったモノです。
更に、光を天井や壁に一度当て反射した関節光で部屋を明るくする照明方法です。
光が出ている光源が目に入りませんから、優しい灯りなって空間を照らします。
コーブ照明で、大人な空間!
コーブ照明とは、天井の中に照明を仕込み、上の天井面を照らす照明のことです。
写真のように、折り上げ天井と一緒に組み込むことで、ドラマチックな空間演出になりました。
一見、装飾的なイメージの強いコーブ照明ですが、天井面全体を照らしその天井から反射した光が床を照らしますから、折り上げ天井全体が大きなの照明のようになります。
間接照明ですから、光源が見えず、眩しくない優しい光ですが、この照明だけで部屋全体が充分明るくなる、実用的な照明方法でも有ります。
天井を大きくコーブ照明にしたこのリビングは、明るく上質な空間に仕上がり、施主に喜ばれました。
和モダンは、コーニス照明で。
コーニス照明とは、コーブ照明とは異なり、壁の中に照明を仕込み壁面を照らす照明方法です。
壁をなめるように光が流れますから、素材感の有る壁材だと光と陰、陰影が出来、素材感がより際立ちます。
特にモダンなイメージの空間に使われます。
写真は、和室の壁面コーブ照明を仕込んでいます。
床の間の壁の裏側に照明を入れる事で、壁を照らし花などの飾りも映える壁面になりました。
コーニス照明は、シャープさを空間に加えますので、和の空間がモダンテイストになります。
間接照明の色温度
コーニス照明、コーブ照明のつくり方を照明しました。
光源が隠れ、天井や壁に反射させて明るく照らしますから、光の色を暖色系、色温度が低い光源を使うことで、穏やかな空気感を生み出す照明になります。
間接照明、工夫で、大人な空間を演出します。
コーブ照明について
コーブ照明(Cove Lighting)は、建築物の内部で間接的に照明を行う方法の一つです。壁や天井の一部に隠された光源から光を放ち、光が直接見えないようにして空間をやわらかく照らすことで、洗練された雰囲気や奥行きを演出します。以下にコーブ照明の特徴やメリット、設置のポイントについて詳しく説明します。
コーブ照明の特徴
間接照明: 光源を隠すことで、光が直接目に入ることがないため、目に優しい照明効果を得られます。反射光によって空間全体が柔らかく明るくなるため、リラックスした雰囲気を作り出します。
デザインの自由度: 天井の縁、壁の上部、家具の裏側など、さまざまな場所に設置できるため、インテリアデザインにおいて非常に柔軟性があります。モダンなデザインからクラシックなデザインまで幅広く対応可能です。
空間のアクセント: 部屋の特定の部分を強調するために使用されることが多く、建築の特徴や家具を際立たせるのに役立ちます。照明を使った演出により、空間に動きや奥行きを持たせることができます。
コーブ照明のメリット
視覚的な広がり: 壁や天井に沿って照明を設置することで、部屋が実際よりも広く感じられます。特に天井に向けて照らす場合、天井が高く見える効果があります。
雰囲気の向上: 照明の色や明るさを調整することで、部屋の雰囲気を簡単に変えることができます。例えば、暖色系の光を使うと温かみのある雰囲気に、寒色系の光を使うとクールでモダンな雰囲気になります。
光の調整が容易: 調光機能を追加することで、時間帯や使用目的に応じて光の強さを簡単に調整することができます。これにより、リビングルームやベッドルームなどで、リラックスしたいときや作業したいときに適した照明を得ることができます。
コーブ照明の設置ポイント
設置場所の選定: コーブ照明を設置する場所は、壁の上部、天井の際、家具の裏側などが一般的です。設置場所によって光の広がり方が変わるため、空間全体のバランスを考慮することが重要です。
光源の選定: LEDライトが最も一般的な光源として使用されます。LEDは省エネで長寿命なため、維持管理が容易です。また、色温度や色の選択肢も豊富で、目的に応じた演出が可能です。
光の方向と反射面: 照明の効果を最大限に引き出すためには、光が反射する面の色や素材も考慮する必要があります。白や明るい色の壁や天井は、光を効果的に反射し、部屋全体を明るく照らします。
照明の均一性: 光が均一に広がるように設置することが重要です。適切な光源の配置やディフューザーの使用により、ムラのない美しい照明効果を実現できます。
コーブ照明は、空間に奥行きや雰囲気を与えるための効果的な方法であり、間接照明としての利点を最大限に活かすことができます。設置場所や光源の選定、光の方向などを工夫することで、様々なインテリアデザインに対応できる柔軟性があります。お住まいのデザインやライフスタイルに合わせて、最適なコーブ照明を計画してみてください。
コーニス照明について
コーニス照明(Cornice Lighting)は、コーブ照明と似た間接照明の一種ですが、特に壁や天井の接合部(コーニス)に取り付けられる照明を指します。コーニスとは、建築物の壁と天井の間に取り付けられる装飾的な帯状のモールディングのことを指し、この部分に照明を組み込むことで、空間を美しく照らすことができます。
コーニス照明の特徴
間接照明の一種: コーニス照明は直接光源が見えないように設計されており、光が天井や壁を反射して部屋全体をやわらかく照らします。これにより、柔らかな明るさと心地よい雰囲気を作り出します。
建築の一部としての照明: コーニス照明は、建築デザインの一部として取り入れられることが多く、特にクラシックな内装や伝統的なデザインにおいてよく用いられます。コーニスの装飾的な要素と組み合わせることで、空間にエレガントさと洗練さを加えることができます。
多様な設置方法: 天井と壁の間だけでなく、床の近くに設置して下方向を照らす方法もあります。また、カーテンボックスや家具の上部などに設置することで、さまざまな演出が可能です。
コーニス照明のメリット
空間の広がりを強調: 天井に向かって光が広がるため、部屋が実際よりも広く感じられます。天井が高く見える効果があり、特にリビングルームやダイニングルームでの使用が人気です。
装飾効果: コーニス照明は、その設置場所に合わせた装飾的な要素を強調します。特に歴史的な建築やクラシックなデザインの部屋において、モールディングや彫刻などのディテールを美しく引き立てることができます。
光の質の向上: 間接照明としての特性により、光の質がやわらかく、部屋全体を均一に照らすことができます。これにより、眩しさを軽減し、目に優しい照明環境を提供します。
多用途性: コーニス照明は、居住空間だけでなく、ホテルのロビーやレストラン、オフィスビルなど、さまざまな商業空間でも利用されています。空間の雰囲気をコントロールしやすいため、リラックスしたい場所や豪華さを演出したい場所に適しています。
コーニス照明の設置ポイント
照明器具の選定: LEDライトが最も一般的に使用されます。LEDは省エネルギーで、長寿命かつ発熱が少ないため、モールディング内部に設置するのに適しています。色温度や色の選択肢も豊富で、目的に応じた演出が可能です。
設置場所の選定: 天井と壁の境界、カーテンボックスの内側、床に近い壁面など、設置場所によって効果が変わります。空間の用途やデザインに合わせて、最適な場所を選びましょう。
光の方向と反射面の考慮: 光が反射する面の色や素材も重要です。白や明るい色の壁や天井は、光を効果的に反射し、部屋全体を明るく照らします。反対に、暗い色の壁は光を吸収するため、異なる雰囲気を作り出すことができます。
照明の均一性: 照明がムラなく広がるように、光源の配置や取り付け方法に注意する必要があります。ディフューザーを使用することで、光を均一に拡散させ、美しい照明効果を実現できます。
コーニス照明は、建築デザインの一部として取り入れられることが多く、空間の広がりやエレガントな雰囲気を演出するのに最適です。光源を隠し、間接的に光を反射させることで、視覚的に快適で目に優しい照明環境を提供します。設置場所や光源の選定、反射面の素材などを工夫することで、さまざまなデザインニーズに応えることができる柔軟性のある照明手法です。
間接照明の色温度について
間接照明の色温度は、空間の雰囲気や感じ方に大きな影響を与える重要な要素です。色温度とは、光の色の見え方を示す指標で、ケルビン(K)という単位で表されます。異なる色温度の照明を選ぶことで、空間に対して温かみを持たせたり、クールでモダンな印象を与えることができます。以下では、間接照明における色温度の基本的な知識や選び方のポイントについて詳しく説明します。
色温度の基本
低色温度(2,700K〜3,000K): 暖色系の光で、オレンジや黄色がかった温かい光を放ちます。一般的に「電球色」や「ウォームホワイト」と呼ばれ、居心地の良いリラックスした雰囲気を作り出すのに適しています。リビングルーム、ベッドルーム、ダイニングルームなど、リラックスしたい場所に最適です。
中間色温度(3,500K〜4,500K): 中間色の光で、「ナチュラルホワイト」や「ニュートラルホワイト」と呼ばれることが多いです。自然光に近い色味で、柔らかさとクールさのバランスが取れているため、キッチンやホームオフィスなどの作業スペースによく使用されます。
高色温度(5,000K〜6,500K): 青白い光を放つ寒色系の光で、「クールホワイト」や「デイライト」とも呼ばれます。視覚的な明瞭さを提供し、集中力を高める効果があるため、オフィスやガレージ、浴室などに適しています。
間接照明での色温度の選び方
用途に応じた色温度の選定:
リビングルームやベッドルームなど、リラックスしたい空間には2,700K〜3,000Kの暖色系の光が適しています。暖かい色味がリラックス効果を促進し、くつろぎやすい雰囲気を作り出します。
キッチンやホームオフィスなど、作業をする必要がある場所には3,500K〜4,500Kの中間色温度が理想的です。視覚的な疲労を軽減し、作業効率を高める効果があります。
オフィスや商業施設、作業場など、明るさと集中力が求められる場所では5,000K以上の高色温度が適しています。クリアで視認性が高く、注意力を高める効果があります。
空間のデザインやインテリアに合わせる:
モダンでクールなインテリアデザインには、4,000K〜5,000Kの中間色〜高色温度がよく合います。クリーンで洗練された印象を与えるため、特にミニマリストのデザインに適しています。
クラシックや伝統的なインテリアには、2,700K〜3,000Kの暖色系が適しています。温かみのある光が、木材やテキスタイルの素材感を引き立て、居心地の良い空間を演出します。
光の調整機能: 調光機能を活用することで、色温度の調整も可能なLED照明を使用することが推奨されます。昼間は高色温度の光で明るく、夜は低色温度でリラックスした雰囲気を作るなど、時間帯や用途に応じて柔軟に対応できます。
間接照明の色温度における注意点
一貫性の維持: 一つの部屋や空間内で異なる色温度の光を使用すると、視覚的に混乱を招くことがあります。なるべく一貫した色温度を選び、統一感のある照明環境を作ることが重要です。
光源の品質: 色温度だけでなく、光源の品質(CRI:Color Rendering Index、演色性)も重要です。CRIが高い光源は、物の色をより自然に見せ、空間の美しさを引き立てます。一般的にCRI80以上の光源が推奨されます。
反射面との相性: 間接照明が照らす反射面の色や素材も、最終的な光の見え方に影響を与えます。暖色系の光は木材や暖色の壁に適し、寒色系の光は白や冷たい色調の壁に適しています。反射面の色味を考慮して、色温度を選びましょう。
間接照明の色温度は、空間の雰囲気や機能性に直結する重要な要素です。適切な色温度を選ぶことで、リラックスしたい空間には暖かみを、集中したい空間にはクリアで明るい光を提供することができます。空間の用途やインテリアデザインに合わせて、色温度を選定し、調和の取れた照明環境を作り出すことが大切です。
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