敷地には、景色の良い敷地も有れば、余り良くない敷地が有ります。
景色の良い敷地は、より気持ち良くなる窓のつくり方が有ります。
景色が余り良くない敷地でも、眺めが3倍にも5倍にも良くなる窓のつくり方が有ります。
景色を、見えるものを切り取る方法です。
ピクチャーウィンドウ、窓が絵画の額縁の様になる手法
窓枠を絵画の額縁にして、景色を切り取り、一服の絵様にする手法です。
絵になる部分のみを、窓枠の中に入れて、それ以外は、窓枠の中に入れない。
どの部分を見せて、どこを見せないか。
切り取る部分を取捨選択しますから、センスも必要です。
赤レンガ倉庫窓の窓、桜の窓
写真の赤レンガ倉庫が映っている窓の家、2階のリビングから、前の道路越しに赤レンガ倉庫が眺められます。
この倉庫は、文化遺産でも有り、建て替えられる可能性は、まだまだ先。
文化遺産ですから、保存状態も良く、雰囲気有る景色です。
赤レンガ倉庫 のみが見える位置に、窓を設置し、レンガの絵の窓になっています。
一方、写真の桜の窓は、向かいの公園が春に桜に埋もれる景色を切り取っています。
この桜の窓、実は赤レンガ窓と同じ家の同じリビングの光景です。
この様に、同じ場所でも切り取る風景が異なると、違った味わいの絵を鑑賞する家になり、雰囲気が変わって来ます。
桜と赤レンガ、異なる素材意識に集中してより美しさが際立ちます。
外部の景色を、 内部に取り込むことになります。
見たくない景色は、隠してしまう。
窓からは、景色だけでなく、光を取り込み、風を取り込みます。
光を入れる為に窓をつくりたくても、目の前に見える景色が古びたコンクリートブロックの塀など、汚れているだけの目にしたくない景色の時も有ります。
その場合は、半透明のガラスにして、光だけを取り込み方法が有ります。
景色は隠す、でも抜け感が欲しい
景色は隠したいけれど、抜け感が欲しい場合は、高いところに窓をつけるハイサイドライト、低いところにつける地窓の方法が有ります。
ハイサイドライトは、目の前が隣の家の壁であっても高いところは、空が見える場合、抜け感を感じます。
住宅密集地1階では、隣地が立て込んでおり、隣の家しか見えない場合が有ります。
そんな時には、低い位置の地窓をきることで、隣見えず、抜け感が生まれます。
地窓の場合、地窓の前の地面を白い玉砂利を敷いたり、地葉類などの植栽で、綺麗にしておく必要が有ります。
好きモノ、嫌いモノ
窓の取り方ひとつで、好きな景色溢れた家になるか、嫌いなモノも見なくてはならない家になるか変わって来ます。
何と無くつけがちな窓ですが、実は居心地の良さ対して、大きな影響及ぼすポイントです。
ピクチャーウィンドウとは
ピクチャーウィンドウ(Picture Window)は、フレームがほとんど目立たず、視界を遮らないデザインの大きな窓で、外の景色を絵画のように楽しむことができる窓のことを指します。以下は、ピクチャーウィンドウの特徴や利点、使用例などについての詳細です。
ピクチャーウィンドウの特徴
固定窓: 通常、ピクチャーウィンドウは開閉ができない固定窓です。開閉機能がないため、気密性が高く、断熱性能も良好です。
大きなガラス面: 窓枠が目立たない設計で、ガラスの面積が広いことが特徴です。これにより、広い視界が確保でき、外の景色がまるでフレームの中に収まった絵画のように見えます。
視覚的な魅力: 部屋の中から外の自然や風景を一望できるため、視覚的に非常に魅力的です。特に、山や海、庭園などの美しい景色を楽しみたい場所に最適です。
光の取り入れ: 大きなガラス面を通して自然光を取り込むことができ、室内を明るくするのに役立ちます。これにより、日中の照明の使用が減り、省エネにもつながります。
ピクチャーウィンドウの利点
景観の強調: 屋外の景観を強調し、自然とのつながりを感じることができます。
エネルギー効率: 気密性が高いため、断熱効果があり、エネルギー効率を向上させます。
メンテナンスが少ない: 開閉がないため、メンテナンスの必要が少なく、故障も少ないです。
使用例
リビングルーム: リビングルームにピクチャーウィンドウを設置することで、家族が集まる場所に広がりを持たせ、外の景色を楽しむことができます。
ダイニングエリア: 食事をしながら外の景色を楽しめるように、ダイニングエリアに取り付けることも人気です。
ベッドルーム: 朝目覚めたときに美しい景色を楽しむために、ベッドルームにも設置されることがあります。
注意点
通気性: ピクチャーウィンドウは開閉できないため、通気性は他の窓と比べて劣ります。通気が必要な場合は、他の窓と併用することが一般的です。
コスト: 大きなガラス面を使用するため、設置コストが高くなることがあります。
ピクチャーウィンドウは、景観を最大限に活かしつつ、光を取り入れるための素晴らしい選択肢ですが、通気性などの考慮も必要です。設計やリフォームの際には、その目的や設置場所に応じて検討すると良いでしょう。
リビングの窓から見たい景色
リビングの窓から見たい景色は、個人の好みや生活スタイルによって異なりますが、以下に一般的に人気のあるリビングの窓からの理想的な景色をいくつか紹介します。
1. 自然の風景
山々や丘陵地帯: 自然豊かな場所に住んでいる場合、窓から山や丘の景色が見えると、四季折々の風景の変化を楽しむことができます。特に秋の紅葉や冬の雪景色などが美しく、心を癒してくれます。
海や湖: 水辺の風景はリラックス効果があり、窓から海や湖が見えると、波の音や水のきらめきを感じながらくつろぐことができます。日の出や夕日の時間帯は特に美しい瞬間を楽しめます。
森や林: 緑豊かな森や林の景色は、都市の喧騒から離れた静寂を感じさせ、リラックスした気持ちにさせてくれます。鳥のさえずりや木々のざわめきを聞きながら過ごすことができます。
2. 庭や中庭
手入れの行き届いた庭: 自分自身でデザインしたり、プロに依頼したりした美しい庭が見える窓は、その手入れの成果を日々楽しむことができます。花々が咲き誇るガーデンや、果樹が植えられた庭などは、季節ごとの変化を楽しめます。
中庭(コートヤード): 家の中心に配置された中庭が見えると、プライバシーを確保しながらも自然を感じることができます。中庭には観賞用の植物や水の要素(小さな噴水や池など)を配置することもできます。
3. 都市の景色
スカイライン: 都市部に住んでいる場合、高層ビルのスカイラインが見える窓は、モダンでダイナミックな都市のエネルギーを感じることができます。特に夜にはビルのライトアップが美しく、都会ならではの眺めを楽しめます。
ランドマーク: 有名なランドマーク(例えば、タワーや橋、歴史的建物など)が見えると、その場所特有の景観を楽しめます。また、観光客気分で毎日を過ごすことができるでしょう。
4. 街並みや通り
古い街並み: 歴史的な建物や石畳の通りなど、古い街並みが見えると、時間を超えた雰囲気を楽しむことができます。ヨーロッパの古都などでは、窓から見える景色がそのまま絵葉書のような美しさです。
賑やかな通り: 賑やかな通りが見えると、活気やエネルギーを感じることができます。カフェやレストラン、ショップが立ち並ぶ通りは、外の様子を眺めながらゆったりとした時間を過ごすのに最適です。
5. 空の眺め
広がる空と雲: 窓から広がる青空や浮かぶ雲の動きは、日々の変化を感じさせてくれます。特に夕方の時間帯に見られる夕焼けや、夜の星空は、日常の中で特別な瞬間を提供してくれます。
月や星: 夜には月や星が見えると、静かでロマンチックな雰囲気が漂います。満月の夜や流星群の時期には、特に窓からの景色が魅力的になります。
6. 桜の木や花の木
窓から桜の木や季節の花が見えると、春には満開の桜、夏には緑の葉、秋には紅葉、冬には裸の枝というように、四季折々の変化を楽しむことができます。
これらの景色は、リビングの窓を通じて外とつながり、自然や都市の風景を室内に取り込むことで、生活に豊かさをもたらしてくれます。どのような景色が見えるかは、家の立地や設計次第ですが、居心地の良い空間を作り出すために、窓の位置やサイズ、設計を工夫することが重要です。
借景とは
「借景(しゃっけい)」は、主に日本庭園のデザインにおいて用いられる概念で、庭の中に外部の景観を取り込み、あたかもその景色が庭の一部であるかのように見せる技法です。これは視覚的なトリックであり、限られたスペースの庭でも広がりや深みを感じさせるために利用されます。以下に、借景の意味や特徴、種類、具体例などを詳しく説明します。
借景の意味と特徴
意味: 「借景」は、「借りる」と「景色」を組み合わせた日本語の言葉で、庭園内の景観設計において、周囲の自然風景(山、海、森林、建物など)を借りて、自分の庭の一部として取り込むことを意味します。
特徴: 借景は、視覚的な広がりを生むための手法です。庭の外に広がる風景を取り込むことで、庭のスケール感を大きく見せ、訪れる人々に広がりや奥行きを感じさせます。また、限られた土地でも、自然との一体感を作り出すことができます。
借景の種類
遠景借景: 庭の外にある遠くの景色を取り込む方法です。遠くの山々や、空、遠景の街並みなどが対象となります。たとえば、遠くの山を背景にすることで、庭に壮大な感じを与えることができます。
近景借景: 庭の外にある比較的近い場所にある景色を取り込む方法です。隣の建物の屋根、近くの樹木、低い丘などがこれに含まれます。庭の境界線が明確でなく、自然に周囲とつながっているように見えるのが特徴です。
附景借景: 人工的に作られた要素を借りることです。隣家の壁や建物、寺院の塔、石灯籠などがこれに該当します。特に都市部の庭では、周囲の建築物や人工物をうまく活用することで、庭の一部として借景を取り込むことが可能です。
順景借景: 実際に庭を巡る際に、異なる景色が次々と見えてくるような仕掛けをする方法です。散策中に視界が開け、異なる風景が現れるように設計されています。
借景の具体例
桂離宮(京都): 桂離宮の庭園では、遠くに見える山々を借景として取り込んでいます。建物の配置や庭のレイアウトは、これらの山々が庭の一部として感じられるように設計されています。
龍安寺(京都): 龍安寺の石庭は、背後の木々が石庭と一体となって見えるように設計されています。この木々が石庭に奥行きと広がりを与え、静寂で瞑想的な雰囲気を作り出しています。
兼六園(石川県): 兼六園では、庭の外にある川や山を視覚的に取り込み、庭全体が自然の一部であるかのような印象を与えます。これにより、庭園のスケールが実際よりも大きく感じられます。
借景の利点
視覚的な広がり: 借景を利用することで、限られたスペースでも広がりを感じさせることができ、庭のサイズを実際よりも大きく見せることができます。
コストの削減: 自然の風景を利用するため、人工的に大規模な庭園を作る必要がなく、結果的にコストを削減できます。
季節感の演出: 周囲の自然の変化(紅葉や雪景色など)をそのまま庭の一部として取り込むことで、四季折々の変化を楽しむことができます。
借景を取り入れる際のポイント
視線のコントロール: 借景を取り込むためには、視線のコントロールが重要です。窓の位置や庭のレイアウトを工夫して、借景が効果的に見えるように設計することが求められます。
障害物の管理: 借景の効果を高めるためには、視界を遮るような障害物(高いフェンスや壁など)を避けるか、それらをデザインに組み込む工夫が必要です。
自然との調和: 借景を取り込む際は、周囲の自然環境と調和するように庭を設計します。無理に借景を取り込むのではなく、自然に馴染むようなレイアウトを心がけることが大切です。
借景は、日本庭園のデザインにおける独特の手法であり、限られたスペースでも広がりを感じさせ、自然との一体感を創り出すことができます。視覚的な工夫と周囲の環境をうまく活用することで、庭の美しさを最大限に引き出すことが可能です。この考え方は、現代の住宅設計や都市開発にも応用でき、自然と調和した快適な居住空間を生み出すためのインスピレーションとなります。
一戸建て住宅設計プロジェクトの解説
戸建て木造リノベーション設計プロジェクトの解説