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執筆者の写真t-ogino

ライフスタイルは、家族それぞれの「生活のクセ」+「理想への想い」

更新日:8月25日


考え方のメモ

いい家とは、そこに住む家族の色のある家ではないかと、考えています。

生活には、ご家族それぞれのクセの様なものがあります。

今まで暮らして来た生活スタイルと、これから形にしていきたい理想のライフスタイル。

その接点を探し設計していくことが、家族独自の色のある、家になっていきます。

家づくりで考える。これまでの生活習慣をすてる?引きづる?

住宅設計の打合せをしていると、意外な程、ひんぱんに浮かび上がって来る、話題があります。

特に間取りのプランニングを進めている時に、それはおこります。。。。。。

そう。これまで住んでいた家と全く同じ家にして欲しい!そういったご要望です。

ま。実際はそこまでの話では無く、プランニングをしている中で、なんとなく部屋の配置が今の住まいと同じ配置の案を好みやすいという話です。

同じ間取りにするなら、新しく家を建てなくても・・・・・

などとも思いますが、住宅の耐用年数も含め建て替えをする理由は、色々あります。

これまで、住宅設計の打合せをして来た中で、わりと年長者の方にこういった傾向が多くみられました。

でも、これ、解りますよね。

新しい生活と言っても、これまでの生活スタイルを全て取りやめて、一新するのは中々大変。

特に年長の方ほど、生活習慣を変えるのはハードルが高い。。。。と思っていました。

先日は、私と同世代の旦那様、お若い奥様とプランニングの打合せをしていた処、ふと今の家は台所がこちらの方向だから、今度も同じ方が一般的なんじゃないのか?という話がでました。

ちょっと驚きました。

それまでの打合せでは、明るい家にしたいけれど、西日が暑いのは嫌だな。

じゃあ、西日は1回外壁で反射させてから、中庭通して家の中に引き込もう。

などと、結構大胆な空間作りを一緒にしていたので、あら、あら、と。

考えてみれば当然で、生活しているシーンを想像しやすいのは、今の家が一番想像しやすいからです。

間取りの打合せでこの話しが出るのは、やはり建て替えの方が多く、賃貸マンションやアパート住まいの方は間取りの部分では出てきません。

また、考えて見れば年齢にも関係ないかもしれません。

定年間近のご夫婦のお宅を設計した時は、他では見ない、面白い間取りにして欲しい!とご要望があったこともありました。

リビング階段のあるリビング

生活してきた中でのクセとは

これまで生活して来た中で形づくられた、生活習慣。

もうちょっと人間くさく言うと「クセ」のようなものが、がっちり身に付いています。

個人個人にも身に付いていますが、家族としてもクセがあります。

朝、起きるのは7時だけれど、ベットを出るのは30分くらいかかり、起きたらまずトイレに行くのか、鏡をみるのか。。。。。

ノンビリしている時は、ソファーで寝そべっているのか、ダイニングでコーヒーを飲んでいるのか。

料理をする時の、包丁の持ち方やまな板の向きも人それぞれ違います。

それらを、全て変えるのは至難の技です。

新しい家をつくる時は、自分と家族がどんなクセを持って生活をして来たのかを、把握したい処です。

人のクセは無くて七癖。

気づかないところにクセはあるものです。

そして、止めたいクセも考えておきたい。

外出から帰ってきて、荷物をその辺に適当に置いてしまい、家族にちょっと嫌がられているのであれば、帰ってきたら荷物をすぐ置ける場所に、専用の収納をつくれば止めたいクセも解決します。

これは、一軒家住まいで建て替えの方だけではなく、マンションやアパート暮らしで新築の住まいを考えている方、全てに当てはまります。

理想のライフスタイルと、これまでのクセをどう扱うか?

家づくりをするとき、多くの方がこれまでの生活とは異なり、新しい理想のライフスタイルで生活をする間取りにしたいと考えるものです。

これまでの家では、出来なかったけれど、今度はこんな生活がしたい。

家族が団欒しやすい、間取りはどんな間取りか?

そんな想いを持つことが、理想の家づくりの第1歩かもしれません。

理想のライフスタイルと、これまでの生活習慣。

ガラッと変わりたくても、クセはついてきます。

そこで、理想とクセが共通する接点を形にすることが、生活しやすい家づくりにつながり、住まい手のご家族らしい色のある家になります。

設計の打合せをしていても、この接点がどこにあるんだろう~と思いを巡らしながら、個別の生活習慣を取り入れながら、これからの生活への想いを汲めるヒアリングを心がけています。

大きな間取りの部分にも、関わりますが、細かな収納内部の配置や、キッチンパントリーの形、洗面・洗濯の動線など細かな処の設計にこそ、ライフスタイルは反映されます。



ライフスタイルを反映された住まいの設計とは


1. ライフスタイルの把握

まず、自分や家族の生活スタイルを把握します。例えば:

  • 生活のクセ: 家庭内でよく行う動作や習慣(料理の頻度、掃除の方法、収納の使い方など)

  • 理想の生活: どんな生活を送りたいか、例えばリラックスできる空間や趣味に使える部屋など


2. 要件のリストアップ

具体的な要件をリストアップします。例えば:

  • 必要な部屋: 寝室、リビング、キッチン、バスルームなど

  • 使いたいスペース: 屋上、庭、ワークスペースなど

  • 特別な要望: 例えば、屋上にプールや洗濯干しスペースを設けたいなど


3. ゾーニング

住まいを「プライベートゾーン」「パブリックゾーン」「サービスゾーン」に分け、各ゾーンにどの部屋を配置するかを決定します。

  • プライベートゾーン: 寝室や個人の部屋

  • パブリックゾーン: リビングルーム、ダイニングルーム

  • サービスゾーン: キッチン、バスルーム、洗濯機置き場


4. 動線の設計

効率的な動線を考慮します。例えば、キッチンからダイニングへの動線や、子供部屋へのアクセスのしやすさなどを考慮します。


5. 収納と機能性

収納スペースの確保と機能性を重視します。例えば、クローゼット、シューズクローク、棚などを配置し、使い勝手を考えます。


6. 光と風の取り入れ

自然光や風の取り入れ方を考えます。窓の位置やサイズを工夫して、明るく快適な空間を作りましょう。


7. ビジュアルと雰囲気

理想の雰囲気を作るために、色合いや素材を選びます。例えば、暖かみのある木材や明るい色の壁など、自分がリラックスできる空間を作るための工夫をします。


8. プランの確認と修正

初期のプランを作成した後は、実際の使い勝手や家族の意見を聞いて、必要に応じて修正を加えます。


9. 専門家の意見

最後に、建築士やインテリアデザイナーなどの専門家に相談し、プランを最終確認します。

これらのステップを踏むことで、「生活のクセ」や「理想への想い」を反映した間取りの設計が実現できます。


ライフスタイルに応じた、家事・収納の設計


細かな収納の内部配置や、キッチンパントリーの形、洗面・洗濯の動線などを考える際のポイントを具体的に見ていきましょう。


1. 収納内部の配置

クローゼットや収納スペースの内部配置:

  • 棚の高さ: 収納するアイテムの種類によって棚の高さを調整します。例えば、衣類用の棚は可動式にして、長い服と短い服の両方に対応できるようにします。

  • 引き出し: 小物やアクセサリーを整理するために、引き出しやトレイを取り入れます。

  • ハンガーパイプ: 服を掛けるためのハンガーパイプの配置を工夫し、長さや位置を調整します。

  • スペースの有効活用: ドア裏や壁面に収納を設けることで、空間を最大限に活用します。


キッチンの収納:

  • 引き出し収納: 調理器具や調味料の収納には、引き出しを取り入れて取り出しやすくします。

  • パントリー: 乾物や缶詰などの食品を整理するための棚を設け、アクセスしやすい場所に配置します。

  • スライド式棚: 奥行きのある棚はスライド式にすることで、奥の物も取り出しやすくします。


2. キッチンパントリーの形

形状と配置:

  • ウォークインパントリー: 通常の収納スペースとは別に、広めのスペースを設けて、食品をまとめて収納できます。

  • コーナーパントリー: キッチンの角に設けることで、無駄なスペースを減らし、取り出しやすい配置にします。

  • カウンタートップ付き: パントリー内にカウンタートップを設けて、食品の収納や準備作業を行えるようにします。


扉の選択:

  • 折れ戸: 狭いスペースでも取り出しやすい折れ戸を選択します。

  • 引き戸: 開閉スペースを節約するために、引き戸を使います。


3. 洗面・洗濯の動線

動線の最適化:

  • 洗濯機と洗面台の配置: 洗濯機と洗面台は近くに配置し、洗濯物を洗った後にすぐに干すことができる動線を確保します。

  • 物干しスペース: 洗濯物を干すためのスペースを設け、洗濯機からすぐにアクセスできるようにします。

  • 収納: 洗剤や柔軟剤、タオルなどの収納スペースを洗面所や洗濯機の近くに設けます。これにより、使いたいものがすぐに取り出せます。


動線の具体例:

  1. 洗濯物の取り扱い: 洗面所に洗濯物を持ち込み、洗濯機に放り込む動線をスムーズにします。洗濯機の隣に洗剤や柔軟剤の収納を設けると便利です。

  2. 乾燥: 洗面所の近くに物干しスペースを設けるか、屋上にアクセスできるドアを設けて、乾燥スペースを活用します。


これらの設計ポイントを考慮することで、使いやすく、効率的な空間を作ることができます。



住まいの設計・計画の解説



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