建築・家の素材には2つの種類があります。
1つは構造材。
構造材とは、木や鉄やコンクリートなど、柱や梁をつくる材料のことです。
木造・鉄骨造・コンクリート造などと言ったりしますね。
構造材自体は、目に見える場合もあれば、隠れてしまう場合もあります。
もう1つは、仕上材。
目に見える表面に使われる材料のことです。
床材や、壁材、天井材、屋根材や、外壁材と言われます。
今回はこの仕上材。。。特に外壁材の種類について考えていきます。
「外壁材にはどんな素材の種類が?」
外壁材を選ぶ時、そもそもどんな種類の素材があるのか?
余り知られていません。
鉄や木といった原材料による違いもあれば、その見栄え、質感、素材感の違いもあります。
普段目にしているはずですが、意外とどんな材料なのか?
気にして、歩く方は建築屋さんぐらいです。
外壁材は素材の持つ質感で、印象がガラッと変わります。
外壁材の幾つか原材料による、違いを書き出してみました。
※ちなみに、最初の写真は設計したリノベーションアパートメントですが、
ウロコ壁の外壁材は、実は屋根材を使っています。
素材感をすごく感じる材料です。
無味乾燥な変化の無い素材よりも、質感を感じる材料を使うことで、デザインのポイントになっています。
「金属」
アルミやガルバリウム鋼板という金属性の、外壁材です。
ガルバリウム鋼板の方が対候性に優れ、劣化がしづらい材料です。
色も黒や赤、青と色々あるのですが、金属のそのままの色のシルバー色と、黒が使われることが多い。
金属の表情のクールな質感を見せる為に選ばれる材料ですので、シルバーと黒というマットな色が多く、選ばれます。
どちらも光沢の無い、無光沢が好まれます。
逆に、白のガルバリウム鋼板の外壁材を選定する場合もありますが、この場合、光沢があり光が反射する素材が選ばれます。
白い外壁が、光を反射してキラキラ輝きますから、宝石のような特異な印象が生まれますが、反射した光が隣の家に、差し込むこともあり、気をつけなくてはなりません。
「木」
木の外壁材は、昔から使われていた、伝統的な材料でもあります。
12センチ×180cmの板をタテに貼ったり、横に貼ったりします。
タテヨコどちらにするかは好みによりますが、古い日本家屋というより、西洋の避暑地の別荘の様な、現代的なデザインながら余裕を感じる質感になります。
横に貼り、貼り代を斜めに重ねた、南京下見板張りという古来の貼り方もありますが、こちらは小屋のような感じが出てきます。
どちらにしても、メンテナンスは必要で、5年に1階程、劣化防止用の透明な塗料を塗ることになります。
この塗料にわずかに色を入れると、白木がダークブラウンの木になり、落ち着きと豪勢な印象を受けます。
木の色によるコストの高い安いはありませんが、木の種類によるコストの違いはでてきます。
「塗装」
塗装は本当に多種類あります。
色は何色にでも出来ますが、光沢のある塗料もあれば、土壁のような材料もあります。
ペンキや絵の具のような塗料は、光沢のあるものも、光沢を無くしたものもあり、マットな質感を好む方は、無光沢のものを選ばれます。
光触媒等、汚れが落ちる汚れがつきづらい塗料の多くありますが、外壁の継ぎ目や、サッシと外壁の接続部分などはコーキングというゴムのような材料でつなぎ、そのコーキングから劣化をしていく為、メンテナンスをしなくて良いという分けではありません。
土壁のような素材感のある材料は、コテで塗るなど、職人の手わざが光る材料。
手作り感が強くでます。
自然素材が好きな方に好まれます。
「タイル」
磁器や陶器といった土を原料に焼いた材料です。
汚れづらく、高級感を味わえる為一時流行しましたが、外壁が重くなることと、老朽化してくると落下したり割れたりするリスクもある為、外壁にはお勧めはしていません。
コストは高い材料です。
「屋根材の外壁材に」
写真のウロコ壁のような材料は、屋根に使っている材料です。
瓦以外では日本の木造家屋で、最も多く使われている屋根材ですが、この材料を壁材として使っています。
凹凸のある外壁は、細かな影の陰影が出来ることで、素材の立体感が増し素材感の強い材料になります。
セメントと砂を主な原材料ですが、空から降り注ぐ雨や日光を毎日ダイレクトに受け止める屋根材は、外壁材より対候性が強く劣化しづらい材料です。
木の板でも同じような、南京下見板張りという貼り方をしますが、こちらの方が耐久性の高い材料です。
「素材感を味わえる材料が、見た目に生きてくる」
世界中の家は地元の素材で作られています。
現代になり、工業化が進んだことで、新しい素材は開発されました、材料のもつ質感や力、個性が薄くなりました。
素材感のある材料を使うことで、材料の持つ良さが引き出され、家の存在を力強いものにしてくれます。
周囲から余りにも浮き出た、突飛なものでは目立ちすぎてしまいますが、派手な色では無く、素材感のある材料を使うと、周囲の環境に以外な程なじみます。
あなたのため・家族のための、世界にひとつだけの家ですから、そこに住む家族の色が出る素材を選んでください。
住宅の屋根材の種類について
住宅の屋根材にはさまざまな種類があり、それぞれに特性や利点があります。代表的な屋根材をいくつか紹介しますね。
瓦(かわら)
種類: 日本瓦、洋瓦
特徴: 耐久性が高く、風雨に強い。日本の伝統的な屋根材で、美しい外観が特徴。
利点: 長寿命、防火性、断熱性。
注意点: 重いので、構造がしっかりしている必要がある。
スレート
種類: 天然スレート、セメントスレート
特徴: 自然な石材の外観で、高級感がある。
利点: 耐久性が高く、長寿命。
注意点: 天然スレートは割れやすく、施工には専門知識が必要。
金属屋根
種類: ガルバリウム鋼板、アルミニウム
特徴: 軽量で耐久性が高い。現代的なデザインに合う。
利点: 耐候性、耐火性、メンテナンスが比較的簡単。
注意点: 熱を伝えやすいため、断熱対策が必要。
アスファルトシングル
特徴: アスファルトとガラス繊維を使った軽量の屋根材。
利点: コストが比較的安く、取り扱いが簡単。
注意点: 耐久性が他の屋根材に比べて劣る。
コロニアル(セメント瓦)
特徴: セメントを原料とした屋根材で、軽量で扱いやすい。
利点: 価格が手頃で、色やデザインが豊富。
注意点: 長期間の使用でひび割れが生じることがある。
木製屋根
種類: 木のシングル、シェイク
特徴: 自然な風合いがあり、温かみのある外観。
利点: 優れた断熱性。
注意点: 火災や湿気に弱く、定期的なメンテナンスが必要。
屋根材の選択は、予算、デザインの好み、地域の気候条件などを考慮して決めると良いでしょう。どの材料にもメリットとデメリットがあるので、よく比較して選んでください。
住宅の壁材の種類について
住宅の壁材には多くの選択肢があり、それぞれの特性に応じて選ぶことができます。主要な壁材をいくつか紹介しますね。
外壁材
サイディング
種類: 窯業系サイディング、金属系サイディング、樹脂系サイディング
特徴: 板状の外壁材で、工場生産されたものが多い。
利点: 施工が比較的簡単で、デザインの選択肢が豊富。耐水性、耐久性が高い。
注意点: 長期間使用すると劣化することがある。
モルタル
特徴: セメントと砂で作られた塗り壁。仕上げに塗装が施される。
利点: 自由なデザインが可能で、表面にテクスチャーを付けやすい。耐火性が高い。
注意点: ひび割れが起こりやすく、定期的なメンテナンスが必要。
レンガ
特徴: 陶器で作られたブロックを積み重ねた外壁。
利点: 高い耐久性と断熱性。重厚感のあるデザイン。
注意点: 施工費用が高く、重量があるため基礎の強化が必要。
タイル
特徴: 磁器や陶器で作られたタイルを外壁に貼る。
利点: 色やデザインのバリエーションが豊富で、耐水性が高い。
注意点: 施工費用が高く、割れやすい場合がある。
木材
特徴: 木の板やパネルを使用する外壁材。
利点: 自然な風合いと温かみがあり、断熱性が高い。
注意点: 防火性が低く、定期的なメンテナンスが必要。
内壁材
クロス(壁紙)
特徴: 紙やビニールでできた壁紙を貼る。
利点: デザインや柄が豊富で、比較的安価。リフォームが簡単。
注意点: 汚れやすく、湿気に弱い場合がある。
塗装
特徴: 壁に直接塗料を塗る。
利点: カラーバリエーションが豊富で、仕上げが自由自在。比較的安価。
注意点: 色ムラが出やすく、塗り直しが必要になることがある。
漆喰(しっくい)
特徴: 消石灰を主成分とした自然素材の壁材。
利点: 優れた吸湿性と調湿性があり、自然な質感。
注意点: 施工が難しく、ひび割れやすい。
タイル(内装)
特徴: 内装用のタイルを壁に貼る。
利点: 耐水性、耐久性が高く、メンテナンスが簡単。
注意点: 施工費用が高く、冷たい印象になることがある。
木材(内装)
特徴: 内装用の木のパネルや板を使用。
利点: 温かみがあり、自然な雰囲気を演出。
注意点: 定期的なメンテナンスが必要で、湿気に弱い場合がある。
どの壁材も、その特性や利点、注意点を考慮して選ぶことが大切です。使用する場所やデザインの好みに合わせて最適な素材を選んでください。
戸建て木造リノベーション設計プロジェクトの解説