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執筆者の写真t-ogino

地下湧水(わきみず)を防止する為の方法とは?シート防水を施工。半地下の家(東京都北区)

更新日:8月23日


地下防水シート

半地下防水その4. 地下の場合、水は上や横からやって来るだけでは有りません。地面の底から、上に、湧きあがって来る、湧水というものが有ります。

そこで、設計の事前の段階で、ボーリング調査をし細い穴を深く掘り、地盤面下の常時地下水が含まれる高さを調べ、その深さによって防水仕様のグレードを決めます。

ここでは、床下のさらに下、基礎の下に先付け防水を行っています。これで、地中から湧いてくる水を防ぎます。


基礎コンクリート

防水その5。 基礎の横(外側)が黒く塗られているのが、解りますか?地中の基礎や壁の外側には、防水材を塗布し水をこの部分で弾きます。

基礎の防水は原則、内側で無く、外側。外の方が、しっかり水が止まります。

地下工事における湧水とは


地下工事における湧水(わきみず)とは、地下の岩盤や土壌に蓄えられている地下水が、工事の際に自然に湧き出る現象を指します。例えば、トンネルや地下道の掘削作業中に、地下水が岩盤の隙間や土壌の中から湧き出してくることがあります。この湧水は、工事の進行や安全性に影響を与えることがあるため、適切な排水対策が必要です。


住宅に影響する湧水(わきみず)は?


住宅における湧水(わきみず)とは、家の敷地や地下室などで地下水が自然に湧き出してくる現象を指します。これが発生すると、土壌が湿ったり、水たまりができたりすることがあります。住宅地での湧水は、地下水位が高かったり、地下の水脈に変化があったりすることが原因です。湧水が長期間続くと、基礎や建物に影響を与える可能性があるため、排水対策や防水工事が必要になることがあります。


湧水の防水対策


湧水を防ぐための対策にはいくつかの方法があります。状況や地形によって適切な対策を選ぶことが重要です。以下は一般的な防止策です


  1. 排水システムの設計と設置:

    • ドレインパイプ: 地面の下にドレインパイプを設置し、湧水を効率的に排出します。

    • 排水溝: 家の周りに排水溝を設けて、雨水や地下水を集めて排出することができます。


  2. 防水工事:

    • 防水シート: 建物の基礎や地下室の壁に防水シートを施工して、地下水の浸入を防ぎます。

    • 防水塗料: 防水塗料を使用して、コンクリートやブロック壁の表面に防水層を作ります。


  3. 地下室の防水:

    • 排水ポンプ: 地下室に排水ポンプを設置し、湧水が地下室に溜まる前に排出します。

    • 防水バリア: 地下室の床や壁に防水バリアを設置して、地下水の侵入を防ぎます。


  4. 土地の管理:

    • 傾斜の調整: 家の周りの土地を適切に傾斜させて、雨水や地下水が建物に向かないようにします。

    • 排水溝の設置: 土地に排水溝を設けて、雨水を効率的に排出します。


  5. 定期的な点検とメンテナンス:

    • 排水システムの点検: ドレインパイプや排水溝が詰まっていないか定期的に確認します。

    • 防水工事のメンテナンス: 防水塗料やシートの劣化をチェックし、必要に応じて再施工します。


これらの対策を講じることで、湧水による影響を最小限に抑えることができます。


地下スラブ底盤の防水シートについて


今回の工事では地下スラブの底盤に防水シートを使用しました。防水シートの詳細は以下の通り


防水シートの種類

  1. ビニール系シート:

    • PVC(ポリ塩化ビニル)シート: 高い耐水性と柔軟性があり、施工が比較的簡単です。

    • TPO(熱可塑性ポリオレフィン)シート: 耐候性が高く、紫外線や化学薬品に強いです。


  2. ゴム系シート:

    • EPDM(エチレンプロピレンジエンジンゴム)シート: 高い耐久性と耐候性を持ち、長期間にわたって効果を発揮します。


  3. アスファルト系シート:

    • アスファルト防水シート: 耐水性が高く、比較的安価で広く使用されていますが、施工時の注意が必要です。


防水シートの施工方法

  1. 基盤の準備:

    • 平坦にする: スラブの表面を平坦にし、凹凸や鋭利な物がないようにします。これにより、防水シートが破れにくくなります。

    • 清掃: 表面をしっかりと清掃し、泥や塵、油分などを取り除きます。


  2. 防水シートの配置:

    • 重ね幅: シートを重ねる部分を適切に設定します。一般的には10~15cmの重ね幅が推奨されます。

    • 貼り付け: シートをスラブの底盤に貼り付けます。接着剤や熱で固定する方法がありますが、メーカーの指示に従うことが重要です。


  3. 継ぎ目の処理:

    • シール処理: シートの継ぎ目や接合部にシーリング材を使用して、防水性能を確保します。

    • 溶接処理: 一部のシートは熱溶接で継ぎ目を処理することができます。これにより、シートの接続部分が強固になります。


  4. 検査:

    • 防水性の確認: 施工後にシートの防水性を確認するため、適切な試験を行います。漏水テストや湿気チェックが一般的です。


  5. 保護層の設置:

    • 保護シート: 防水シートの上に保護層を設置し、施工後の損傷から守ります。これにより、防水シートが物理的に保護され、長期間にわたって効果を発揮します。


注意点

  • 施工条件: 防水シートの施工は、気温や湿度などの条件に影響されるため、施工時の環境を確認し、適切な条件で作業を行うことが重要です。

  • 品質管理: 使用する防水シートの品質や施工技術によって、最終的な防水性能が左右されるため、信頼できる材料と技術者を選ぶことが大切です。


防水シートは地下スラブの底盤にとって重要な防水対策であり、正しい施工と適切なメンテナンスが長期間の保護に繋がります。


地下外壁の防水方法


地下外壁の防水は、地下空間を水や湿気から守るために重要です。以下に主な方法とポイントを詳しく説明します


1. 防水材の選定

  • 防水シート: 通常、合成ゴムや合成樹脂製の防水シートが使用されます。施工が簡単で、広範囲にわたって均一に防水層を作れます。

  • 塗布防水材: 液体状の防水材を塗布して、乾燥後に膜を形成します。アスファルト系、ポリウレタン系、エポキシ系などがあります。

  • 防水モルタル: 防水性を持つモルタルを使用し、地下外壁に厚い層を形成します。これは防水シートや塗布材の下に施工することもあります。


2. 施工のプロセス

  1. 表面準備: 地下外壁の表面をきれいにし、ひび割れや欠損部分を修理します。表面が滑らかでないと、防水材がしっかりと接着しません。

  2. プライマー塗布: 防水材の接着性を高めるために、下地にプライマーを塗布します。これにより、防水材と外壁の密着度が向上します。

  3. 防水層の施工: 選んだ防水材(防水シート、塗布材、モルタルなど)を施工します。防水シートは重ね合わせ部分や端部をしっかりと接着し、塗布材は均一に塗り広げます。

  4. 検査と補修: 施工後に防水層の状態を確認し、欠陥や不完全な部分があれば修理します。水圧試験などで漏れがないか確認することも重要です。


3. 排水対策

地下外壁の防水だけでなく、排水対策も重要です。地下外壁の周りに排水管やドレインを設置し、地下に水が浸入しないようにします。これにより、外壁にかかる水圧を軽減できます。


4. メンテナンス

防水層は時間と共に劣化するため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。特にひび割れや剥がれがないかを確認し、早期に対応することで長期間の効果を維持できます。

地下外壁の防水は、適切な材料と施工が大切です。一級建築士に相談して、最適な方法を選ぶと良いでしょう。


地下の塗膜防水について


今回、地下外壁には塗膜防水を施工しました。地下の塗膜防水は、地下外壁や地下室の防水に広く使用される方法で、主に液体状の防水材を塗布して膜を形成するものです。以下に詳しく説明します。


塗膜防水の種類

  1. ポリウレタン防水

    • 特長: 柔軟性があり、ひび割れに強い。耐久性も高いが、紫外線に弱いため、通常は上から保護層を施工します。

    • 使用例: 地下外壁、地下室の内部、屋上の防水など。


  2. エポキシ防水

    • 特長: 高い強度と耐水性を持ち、化学薬品にも強い。硬化後は耐久性が非常に高いが、柔軟性はポリウレタンほどではありません。

    • 使用例: 工業施設や地下室の防水、化学薬品が触れる可能性のある場所など。


  3. アスファルト防水

    • 特長: 耐水性が高く、コストパフォーマンスが良い。施工後の強度も高いですが、柔軟性はあまりありません。

    • 使用例: 地下外壁や地下室の防水、屋上の防水など。


施工プロセス

  1. 表面準備

    • 清掃: 地下外壁の表面に付着した汚れや油分を取り除きます。

    • 修繕: ひび割れや欠損部分を補修します。塗膜が均一に密着するように、表面を平滑に整えます。


  2. プライマー塗布

    • 目的: 下地との密着性を高めるため、プライマー(下塗り材)を塗布します。これにより、防水材が下地としっかりと接着します。


  3. 塗膜防水材の塗布

    • 塗布: 選んだ防水材(ポリウレタン、エポキシ、アスファルトなど)を均一に塗布します。通常、数回の塗り重ねが推奨されます。各層の乾燥時間や硬化時間は防水材によって異なるため、メーカーの指示に従うことが重要です。

    • 乾燥: 防水材が完全に乾燥・硬化するまで、作業を中断し、乾燥状態を確認します。


  4. 検査と補修

    • 検査: 塗布後に防水膜の状態を確認し、均一性や欠陥がないかをチェックします。特に接合部や角部分の確認が重要です。

    • 補修: 不具合や欠陥があれば、追加の塗布や修理を行います。


メリットとデメリット

メリット

  • 一体化: 塗膜が下地と一体化するため、隙間や継ぎ目が少ない。

  • 柔軟性: 柔軟性があるため、ひび割れや変形に対して適応しやすい(ポリウレタンの場合)。

  • 施工性: 液体状なので、複雑な形状や隙間にも対応可能。


デメリット

  • 施工の手間: 乾燥時間や施工条件に注意が必要で、施工が手間取ることもある。

  • メンテナンス: 時間と共に劣化する可能性があり、定期的な点検とメンテナンスが必要です。

  • コスト: 高品質な防水材を使用する場合、コストが高くなることがあります。


塗膜防水は、地下空間を効果的に保護するための優れた方法ですが、施工時には細部まで気を配る必要があります。一級建築士に相談することで、最適な方法と材質を選ぶことができるでしょう。




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