典型的とも言える・東京の住宅密集地にある狭小住宅をリノベーションしました。恐らく建売だと思われる、込み合った狭い敷地に、工夫無く建てられた住宅。暗いし・圧迫感あるし、特徴も無いしどうしようかな?と考えたのですが、リノベーションするにあたって光と風を取り込んだ、とにかく心地の良い住まいにしようと設計にあたりました。
壁を減らして抜け感+あかるい光
廊下と階段、リビングの間の壁を無くして、リビングを大きくして、階段を取り込んだリビング階段としました。階段と一緒に吹抜けをつくり開放感と光を取り込む、筒をつくったイメージです。小さな住まいですので、吹抜けの上も使いたい為、樹脂製の透明なグレーチングを敷き、光が入ってきます。
天井を無くす
リビングの天井も、一部とってしまい高さを確保、構造をむき出しにして開放感を感じる空間になりました。
白い柱が特徴的な雰囲気をつくっています。
採光の魔法で広く感じます。階段下にも収納があります。
風と光が階段を通じて、建物全体に行き届き、都心の建売住宅が心地よく暮らせる住まいに変わりました。
リノベーション素材の使い方で明るく!
・階段を撤去してつけかえ、蹴込み板の無いタモ集成材のスケルトン階段に
・天井を撤去して、FRPグレーチングの光を通す天井に。
・階段と廊下の間の壁を撤去して、抜け感のある家。
・壁クロス貼り換え。
・床を撤去して、FRPグレーチングの光を通す床に。
・窓サッシは、そのまま。
・タテ手摺設置して、上りやすい階段に。
※スケルトン階段・床天井FRPグレーチングにする事で、光がはいる明るい家にリノベーション。
リノベーションでの素材の扱い方
リノベーションにおける素材の扱い方は、空間のデザイン、耐久性、快適性に大きく影響します。以下は、リノベーションでの素材の扱い方についての基本的なポイントです。
1. 素材の選定
目的に合った素材: 使用する部屋の機能や目的に応じて適切な素材を選びましょう。例えば、キッチンやバスルームでは防水性が高い素材が必要です。一方、リビングルームやベッドルームでは温かみのある素材が好まれることが多いです。
環境に優しい素材: リサイクル可能な素材や、環境に配慮した製品を選ぶことで、持続可能な住まいを実現できます。
2. 素材の質感と見た目
テクスチャ: 異なる素材の組み合わせによって、視覚的な興味を引き出すことができます。たとえば、木材の温かみのある質感と、コンクリートのクールな質感を組み合わせると、バランスの取れた空間が生まれます。
色彩の調和: 素材の色を考慮し、空間全体の色調と調和させることが重要です。自然素材の色合いをベースに、アクセントカラーを加えることで、スタイリッシュな空間を作り出すことができます。
3. 耐久性とメンテナンス
耐久性: 素材の耐久性は長期的な視点で重要です。特に、床材やカウンタートップなど頻繁に使用される部分には、耐久性のある素材を選ぶことが推奨されます。
メンテナンスのしやすさ: 素材のメンテナンスの手間も考慮しましょう。例えば、掃除がしやすい素材や、汚れに強い素材は、日々のメンテナンスを楽にします。
4. コストと予算
コストパフォーマンス: 高価な素材を使用することが必ずしも良い結果をもたらすわけではありません。予算内で最良の品質とデザインを実現できるよう、素材を慎重に選定しましょう。
長期的な投資: 初期コストが高くても、耐久性やメンテナンスの手間を考慮すると、長期的にはコストを節約できる素材もあります。
5. 素材の取り扱いと施工
専門的な知識と技術: 特定の素材は専門的な施工技術が必要です。施工業者の経験と専門知識を確認し、適切な施工が行われるようにしましょう。
施工環境: 気候や湿度、温度など、施工時の環境も素材の選定に影響を与えます。適切な環境で施工が行われるよう配慮することが重要です。
6. サンプルの確認
サンプルを取り寄せる: 実際に使用する素材のサンプルを取り寄せ、光の当たり方や手触りを確認することで、最終的な仕上がりをイメージしやすくなります。
7. 安全性
VOC(揮発性有機化合物)を含まない素材: 健康への影響を考慮し、低VOCまたは無VOCの素材を選ぶことで、室内空気の質を向上させることができます。
リノベーションは、生活空間を自分好みに作り変える素晴らしい機会です。素材の選定と扱い方に注意を払うことで、美しく、快適で、長く愛される空間を実現できます。
リノベーションで、小さく暗かった家が明るく開放的になる
リノベーションを通じて小さく暗い家を明るく開放的にするためには、設計と素材の選定に工夫を凝らすことが重要です。以下に、そのための具体的な手法を詳しく説明します。
1. 自然光の取り入れ
大きな窓の設置: 窓を大きくしたり、追加したりすることで、自然光を多く取り入れることができます。可能であれば、天井に近い位置や床から天井までのフルハイトウィンドウを設けると、空間が一気に明るくなります。
天窓(スカイライト)の導入: 屋根に天窓を設置することで、上からの自然光を効果的に取り入れることができます。これにより、部屋全体が明るく感じられ、特に窓が少ない空間に有効です。
採光壁の使用: 外壁にガラスブロックや半透明の素材を使用することで、プライバシーを保ちながら光を取り入れることができます。
2. 室内の間取り変更
オープンプランの採用: 壁を取り払ってキッチン、リビング、ダイニングを一つの大きな空間にするオープンプランは、空間の広がりを感じさせ、光の流れをスムーズにします。構造的に可能であれば、間仕切り壁を取り除くことを検討してください。
ガラスの間仕切り: 完全に壁を取り払うのが難しい場合、ガラス製の間仕切りを使用すると、光を遮らずに空間を区切ることができます。これにより、視覚的な広がりを保ちながら、必要なプライバシーも確保できます。
3. 反射素材の活用
明るい色の内装: 壁、天井、床を明るい色で仕上げると、光を反射しやすくなり、部屋全体が明るく感じられます。特に白やパステルカラーは、光を効果的に反射するためおすすめです。
光沢のある仕上げ材: キッチンのカウンタートップやバスルームのタイルなどに光沢のある素材を使用すると、光を反射し、空間に輝きを加えます。
鏡の設置: 鏡は光を反射し、空間を広く見せる効果があります。適切な位置に大きな鏡を配置することで、部屋が明るく、より開放的に感じられます。
4. 人工照明の工夫
多層照明: 部屋全体を均一に明るくするために、天井灯、間接照明、タスク照明などの多層的な照明計画を立てましょう。これにより、部屋全体にムラなく光が行き渡ります。
間接照明の使用: 間接照明は、壁や天井に光を反射させることで、柔らかく心地よい光を提供します。これにより、空間に奥行きと広がりを感じさせることができます。
LED照明の導入: エネルギー効率の高いLED照明を使用し、明るく自然な光を提供します。調光機能付きのLED照明を使用することで、時間帯やシーンに応じた適切な照明を実現できます。
5. 家具とインテリアの配置
低い家具の使用: 部屋の視界を遮らないように低めの家具を選ぶことで、視線が通りやすくなり、空間が広く感じられます。
家具の配置を工夫: 窓や光源を塞がないように家具を配置し、光の流れを阻害しないようにします。オープンシェルフやガラス製の家具も視覚的な広がりを感じさせます。
6. 外部とのつながりを強化
パティオやデッキの設置: 家の外にパティオやデッキを設けることで、屋内外の境界を曖昧にし、視覚的な広がりを感じさせることができます。
室内外の一体感を演出: 庭へのアクセスを容易にする大きなガラスドアを設置し、視線の抜けを作ることで、開放的な空間を演出します。
7. 色とテクスチャの統一
統一感のある色調: 部屋全体の色調を統一することで、視覚的に一貫性が生まれ、空間が広く感じられます。床材や壁の色を統一することで、視線が途切れず、空間に一体感が生まれます。
シンプルなデザイン: 複雑な装飾や派手なデザインを避け、シンプルでクリーンなラインを持つデザインを採用することで、空間がすっきりとし、より広く感じられます。
これらの設計手法を取り入れることで、小さく暗い家でも、明るく開放的な空間に生まれ変わることが可能です。リノベーションの際には、自然光の取り入れ、間取りの工夫、素材と色の選定を慎重に行い、快適で魅力的な住まいを実現してください。
リノベーションで壁を減らす注意点
リノベーションで壁を減らすことは、空間を広く、明るく、開放的に感じさせる効果がありますが、注意すべき設計ポイントがあります。以下は、壁を減らす際に気を付けるべき重要な設計上の考慮事項です。
1. 構造的な安定性
耐力壁の確認: 耐力壁は建物の構造を支え、地震や風圧に対して安定性を保つ役割を持っています。この壁を取り除くと建物の強度が低下する可能性があるため、専門家に依頼して耐力壁かどうかを確認することが必要です。
補強策の検討: 耐力壁を取り除く場合、構造の補強が必要です。例えば、梁(はり)や柱を追加する、あるいは鉄骨フレームを導入するなどの補強策が考えられます。これらの補強は建物の安全性を確保するために不可欠です。
2. 配管・配線の確認
配管・配線の移設: 壁の中には、給水管、排水管、電気配線、通信ケーブルなどが通っていることがよくあります。これらを移設する必要がある場合、リノベーション計画に含めておくことが重要です。移設作業は専門の設備業者に依頼しましょう。
コンセントとスイッチの位置: 壁を減らすことで、コンセントやスイッチの位置が変わる可能性があります。生活の利便性を確保するために、新しい位置を計画し、適切に設置しましょう。
3. プライバシーの確保
プライベートゾーンの設計: 壁を減らしてオープンな空間を作ると、プライバシーが失われることがあります。寝室やバスルームなどプライベートなエリアについては、引き戸やスクリーン、カーテンなどで区切りを設けることを検討しましょう。
音の問題: 壁が少なくなると音が響きやすくなるため、音のプライバシーも考慮が必要です。吸音材を使用する、カーペットやラグを敷く、家具の配置を工夫するなどして、音の問題に対処します。
4. 空間の用途とゾーニング
ゾーニングの工夫: 壁が減ることで空間が広がる一方、視覚的・機能的なゾーニングが難しくなることがあります。家具の配置、ラグの使用、照明の配置などでエリアを区分し、空間の用途が明確になるよう工夫しましょう。
視線のコントロール: 家具やパーティションを使って、視線が自然に導かれるように設計することも重要です。これにより、空間が一体となりながらも、それぞれのエリアの目的や機能がはっきりとわかるようになります。
5. 自然光の取り入れと照明計画
自然光の取り込み: 壁を減らすことで、窓からの自然光を部屋全体に行き渡らせることができます。窓の位置やサイズを最大限活用し、明るい空間を作り出しましょう。
人工照明の配置: 壁を減らしたことによる光のバランスを考慮し、全体を均一に明るくするための照明計画を立てます。スポットライト、間接照明、タスクライトなどを組み合わせて、快適な明るさを確保します。
6. 空調と換気
エアフローの確保: 壁が少なくなることで、空気の流れが変わる可能性があります。快適な室内環境を保つために、エアコンや換気扇の位置、空気の流れを考慮した設計を行います。
換気の改善: 開放的な空間では自然換気がしやすくなりますが、適切な換気システムの導入も重要です。特にキッチンやバスルームでは、効率的な換気計画が求められます。
7. デザインの統一感
一貫性のあるデザインテーマ: 壁を減らした広い空間に統一感を持たせるため、床材、壁材、家具の選定において統一感のあるデザインテーマを設定することが重要です。色調や素材感を揃えることで、空間全体が一体感を持ちます。
視覚的なアクセント: オープンな空間にメリハリをつけるため、アクセントカラーや素材を一部に取り入れることで、空間に動きを出し、単調さを防ぐことができます。
8. 家具とインテリアの選定
多機能家具の使用: オープンな空間では、多機能家具や収納付きの家具が便利です。空間を有効活用し、整然とした印象を保つことができます。
低い家具の使用: 視線を遮らず、空間の広がりを感じさせるために、低めの家具を選ぶことが効果的です。
9. コスト管理
予算の確認: 壁の減少に伴う補強工事や設備の移設にはコストがかかります。予算を明確にし、コスト管理を徹底することで、計画の途中での変更や予算オーバーを防ぎます。
専門家への相談: 構造的な問題や予算の調整など、壁を減らす際の複雑な問題については、建築士やインテリアデザイナー、施工業者などの専門家に相談することが重要です。
リノベーションで壁を減らすことは、空間の開放感を大幅に向上させる素晴らしい方法ですが、構造的な安全性や機能性、プライバシーの確保など、様々な要素をバランスよく考慮する必要があります。これらのポイントを踏まえて設計を行うことで、快適で魅力的な住まいを実現できます。
天井をとって、構造をむき出しにして開放感を得る
天井を取り外し、構造をむき出しにすることは、リノベーションにおいて開放感を増すための効果的な手法の一つです。この方法により、空間が広く感じられ、インダストリアルな美しさを演出することができます。以下に、天井を取り外して構造をむき出しにすることで得られる効果や、その際の注意点について詳しく説明します。
1. 開放感の増加
天井高の向上: 天井を取り外すと、視覚的に天井の高さが増し、空間が広がったように感じられます。特に、もともと低い天井の空間では、この手法によって圧迫感を減らし、より開放的な雰囲気を作り出すことができます。
視線の広がり: 天井を取り払うことで、上方への視線の広がりが生まれ、部屋全体が大きく感じられます。これは特に狭い空間において有効で、閉塞感を軽減する効果があります。
2. デザインの美しさ
インダストリアルな美学: 天井を取り外して構造をむき出しにすることは、インダストリアルデザインの一部です。露出した梁、配管、ダクトなどは、シンプルでありながら力強い美しさを持ち、現代的なデザインにおいても人気があります。
素材感の強調: 木材の梁、スチールの配管、コンクリートの天井など、素材そのものの質感や色合いを楽しむことができます。自然素材や工業的な素材を組み合わせることで、独特のテクスチャー感を持つ空間を作り出せます。
3. 光の演出
自然光の拡散: 天井が高くなることで、光が空間全体に拡散しやすくなります。大きな窓や天窓を取り入れれば、日中の自然光が効果的に部屋を明るくし、心地よい空間を提供します。
照明デザインの自由度: 露出した構造を活かして、ペンダントライトやスポットライトを梁に取り付けることが可能です。照明の位置や種類を自由に調整することで、独自の照明デザインを実現できます。
4. 空間の柔軟性
用途に応じた空間の設定: 天井を取り外すことで、部屋の用途やデザインを柔軟に変更することができます。例えば、リビングとダイニングを一体化させた広い空間や、オフィススペースといった用途に応じた空間設計が可能です。
機能的なスペースの追加: 高い天井を活かして、ロフトや収納スペースを設けることもできます。これにより、限られた面積を最大限に活用することができます。
5. 空調と換気の改善
エアフローの向上: 天井が高くなることで、空気の循環が良くなり、快適な室温を保つことができます。特に暖かい空気が上昇する夏場には、エアコンの効率も向上します。
換気の促進: 高い天井とむき出しの構造は、効率的な換気を促進し、空気の質を保つのにも役立ちます。特に天窓や高窓を設けることで、自然換気が容易になります。
6. 注意点と考慮事項
断熱性とエネルギー効率: 天井を取り外すことで、断熱性が低下する可能性があります。冬の寒さや夏の暑さに対する断熱対策が必要です。断熱材の追加や、断熱性の高いガラスを使用することが推奨されます。
音の反響: 高い天井とむき出しの構造は、音の反響を増幅させることがあります。特に広い空間では音がこもることがあるため、吸音材の使用や、カーペット、ファブリックを使った音のコントロールが重要です。
メンテナンス: むき出しの配管や梁は、ホコリがたまりやすく、定期的な清掃が必要です。また、照明の設置や配管のメンテナンスも通常の天井より手間がかかることを考慮してください。
構造的な安全性: 天井を取り外す前に、建物の構造に影響がないか確認する必要があります。特に梁や柱が建物の支持構造として重要な役割を果たしている場合は、専門家による調査と適切な補強が求められます。
7. 施工時の留意点
施工計画の確立: 天井の取り外し作業は、慎重な計画と施工が必要です。特に、配線や配管が複雑に絡んでいる場合、それらを適切に処理しながら天井を取り外すことが求められます。
専門家の協力: 建築士やインテリアデザイナー、設備業者などの専門家と連携し、デザインと機能性のバランスを取りながらリノベーションを進めることが重要です。
8. インテリアデザインとの調和
家具や装飾の選定: 天井をむき出しにすることで、インダストリアルスタイルが強調されますが、これをインテリア全体のデザインに調和させることが重要です。ナチュラルな木材、メタル、ガラスなどの素材を取り入れて統一感を持たせましょう。
アクセントを加える: 色や素材でアクセントを加えたり、植物を配置したりすることで、空間に温かみと個性を持たせることができます。
天井を取り外して構造をむき出しにすることは、空間の開放感を大幅に向上させる効果的なリノベーション手法です。適切な計画とデザインを施し、注意点を考慮することで、美しさと機能性を兼ね備えた快適な住まいを実現できます。
戸建て木造リノベーション設計プロジェクトの解説
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