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執筆者の写真t-ogino

施主と設計者のコミュニケーションを大切にした、設計のプロセスとは。猫と中庭の集合住宅(東京都品川区不動前)

更新日:8月30日


中庭のある家の平面図

好評だった賃貸住宅の「猫と住む中庭のある集合住宅」は 施主(オーナー)の想いを、さらに増幅し、もっと先鋭化させた設計をしたことで、新しいライフスタイルの「提案」になり賃貸希望者が列をつくってくれた。

施主の想いから、猫の集合住宅 はスタートしている。


猫と住む、中庭のある集合住宅の設計では、猫好きの施主のこんな思考から始まった。

→猫達と一緒に住む人の集合住宅をつくりたい。

→ 猫が快適生活する住まいとは、人がまず快適な環境のはず。

→ 住宅密集地で日当たりの悪い敷地で不快な場所、どうしたら良い?


猫の集合住宅の施主思考を受けて、設計者として考えたのは。

→光を感じるのは、人にも猫にも心地よいはず 。

→ 中庭を敷地の中央につくって、光を壁に反射させ、一階まで導こう 。

→ 中庭囲んで、ぐるっと回れる間取りが良いな 。

→ 扉に猫ドアつければ、猫は家を一周して遊べる 。

→ 賃貸で見たことの無い、大胆な間取りの提案だけど。。。これが猫・人ともに快適だ!


施主の想いから始まった、猫と住む集合住宅は、施主の思ってもいない間取りになりましたが、施主の想いが詰まった、施主の想いが実現した、回遊式・中庭のある集合住宅が出来上がりました。



施主と一級建築士のコミュニケーション


住宅設計における施主と一級建築士のコミュニケーションは、家づくりの成功の鍵を握る重要な要素です。両者の間で信頼関係を築き、施主の要望や夢を建築士が正確に理解し、それを形にするためのプロセスです。以下に、コミュニケーションで大切にすべきポイントを詳しく説明します。


1. 初期ヒアリングと要望の明確化

  • 施主のライフスタイルと価値観の理解: 建築士は、施主がどのような生活をしているか、家族構成、日常の動線、好みのデザインスタイルなど、具体的なライフスタイルや価値観を理解する必要があります。

  • 施主の夢や希望の共有: 施主が考える理想の住まいについて、できるだけ具体的に話し合うことが重要です。この段階で夢や希望を自由に語ることで、建築士はその想いを設計に反映させやすくなります。


2. 透明性と現実性のバランス

  • 予算の明確化: 建築士は施主と共に、予算に関する現実的な話し合いを行い、施主の希望を予算内でどのように実現するかを考えることが大切です。予算オーバーを防ぐための計画と調整も欠かせません。

  • 技術的・法的制約の説明: 建築基準法や土地の規制など、設計に影響を与える技術的・法的な制約について、施主にわかりやすく説明することも重要です。


3. 定期的な進捗報告とフィードバック

  • 設計プロセスの共有: 建築士は設計の進捗状況を定期的に報告し、図面や3Dモデルなどを用いて視覚的に施主に確認してもらいます。これにより、施主が計画の各段階で理解しやすくなり、必要に応じてフィードバックを提供できます。

  • 施主からのフィードバックの反映: 施主の意見や感想を反映させる柔軟性も必要です。変更点があれば、設計士は迅速に対応し、施主と一緒に最適な解決策を見つけます。


4. 信頼関係の構築

  • オープンで誠実な対話: 施主と建築士の間でオープンで誠実な対話が行われることが、信頼関係を築く基本です。疑問や不安があれば、建築士は率直に答え、施主も自由に意見を述べることができる環境が必要です。

  • 相互尊重: お互いの専門性や意見を尊重し合うことで、協力的な関係を維持し、プロジェクトの円滑な進行が可能になります。


5. コミュニケーションツールの活用

  • デジタルツールの使用: 最近では、CADソフトやビジュアルシミュレーションツールを用いることで、施主が設計プランをより具体的にイメージしやすくする方法もあります。また、メールやチャットを通じた日常的な連絡も有効です。

  • 現地見学やサンプル確認: 実際に建築予定地を訪れることや、材料のサンプルを見せることで、施主の理解が深まり、意思決定がしやすくなります。


6. 期待値の調整

  • 施主の期待と現実のギャップを埋める: 初期の段階から施主の期待値を管理し、現実的な範囲での提案を行うことで、後々のトラブルや不満を防ぐことができます。


これらのポイントを押さえたコミュニケーションを重視することで、施主と一級建築士の間に信頼関係が築かれ、プロジェクト全体がスムーズに進行し、最終的には施主の理想の住まいが実現されます。

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猫と暮らす家の設計のプロセス


猫と暮らす家の設計は、猫と人間が快適に共存できる環境を作るために、いくつかの特別な考慮が必要です。以下は、猫と暮らす家の設計プロセスにおいて重要なポイントを段階的に詳しく説明します。


1. ヒアリングと要望の確認

  • 猫の数と性格の把握: まず、何匹の猫がいるのか、それぞれの猫の性格や行動パターンを把握することが重要です。例えば、活発な猫が多い場合は遊び場が必要になるかもしれませんし、引っ込み思案の猫がいる場合は隠れ場所を提供することが求められます。


  • 施主のライフスタイルと猫との関係性: 施主がどのように猫と生活しているかを理解することも重要です。例えば、猫と一緒にくつろぐスペースが欲しい、猫専用の部屋を設けたいなど、施主の希望を具体的にヒアリングします。


2. 安全性の考慮

  • 脱走防止: 猫が脱走しないようにするために、窓やドアには脱走防止策が必要です。網戸には強化された素材を使用し、窓には猫が簡単に開けられないようなロック機能を設けます。


  • 危険物の排除: 猫にとって危険な観葉植物や小さな装飾品は避け、猫が誤飲しないようにします。また、キッチンやバスルームの収納には安全ロックを設置して、洗剤や化学薬品へのアクセスを防ぎます。


3. 猫用スペースの設計

  • キャットタワーとキャットウォーク: 縦の空間を活用して、キャットタワーやキャットウォークを設置します。猫は高い場所に登ることを好むため、天井付近まで続くキャットウォークや、窓際に設置することで外を眺められる場所を作ることが理想的です。


  • 隠れ場所と休息スペース: 猫は隠れることが好きな生き物なので、クローゼットの中やキャットハウスなど、猫がリラックスして休める隠れ場所を設けると良いです。


4. 遊びと運動のスペース

  • 広い走り回れるスペース: 猫が自由に走り回れるスペースを確保することが大切です。オープンフロアのリビングルームや、障害物が少ない廊下など、猫が運動できる場所をデザインに組み込みます。


  • インタラクティブな要素: 猫が好むような動くおもちゃや、取り外し可能な遊具を設置することで、猫の運動量を増やすことができます。


5. 掃除のしやすさ

  • 床材の選択: 毛が絡みにくく、掃除がしやすいフローリングやタイルを選びます。また、傷が付きにくい素材を選ぶことで、猫の爪によるダメージを防ぎます。


  • 猫トイレの配置: 猫トイレは目立たない場所に設置するのが一般的ですが、アクセスしやすく、掃除もしやすい場所を選ぶことが重要です。専用の収納スペースやカバー付きの猫トイレを使用することで、臭いを軽減し、見た目もスッキリとさせることができます。


6. 猫の健康を考慮した設計

  • 日光浴スペース: 窓際にキャットベッドを置くことで、猫が日光浴を楽しめるスペースを作ります。日光浴は猫のビタミンD生成やストレス軽減に役立ちます。

  • 空気の循環と換気: 室内の空気を清潔に保つために、適切な換気システムの設置が推奨されます。猫の毛やほこりがたまりやすいため、空気清浄機の導入も考慮します。


7. デザインの統合

  • 猫の設備をインテリアに調和させる: 猫用の家具やキャットウォークがインテリアと調和するように、素材や色合いを工夫します。これにより、猫にとっても施主にとっても快適な空間が作り出せます。


8. 定期的な見直しとフィードバック

  • 猫の行動の変化に対応: 猫の年齢や健康状態が変わると、必要な環境も変わるため、定期的に住まいの見直しを行うことが重要です。施主からのフィードバックを基に、必要な改良を施すことで、長期にわたり快適な住まいを維持できます。


猫と共に暮らす家の設計は、人間と猫の両方のニーズをバランスよく取り入れたものにすることが大切です。上記のポイントを考慮することで、猫にとって安全で快適な生活空間が作り出され、施主も満足できる住まいが実現します。


回遊式・中庭のある集合住宅の間取り


回遊式・中庭のある集合住宅の間取りは、住民にとって多くのメリットがある設計手法です。以下に、その良さと特徴を詳しく説明します。


1. 回遊式のメリット

  • 動線の効率化と快適さ: 回遊式の間取りは、家の中をぐるっと一周できるような設計です。例えば、リビング、キッチン、寝室、バスルームが連続的につながっている場合、家の中をスムーズに移動できます。この動線の効率化は、日常生活を快適にし、無駄な移動を減らすことができます。


  • プライバシーの確保: 回遊式の間取りにより、家族それぞれのプライベートな空間が確保されやすくなります。例えば、寝室とリビングを離れた位置に配置することで、音の干渉を防ぎ、静かな環境を保つことが可能です。


  • 家族のコミュニケーション促進: 部屋が連続してつながっているため、家族が顔を合わせる機会が自然と増えます。これにより、家族のコミュニケーションが促進され、家族間の絆が深まります。


2. 中庭のメリット

  • 自然光の取り入れと通風: 中庭があることで、住戸全体に自然光が行き渡ります。特に高層の集合住宅では、中央部に中庭を設けることで、各住戸に光と風を届けることができます。これは、暗くなりがちな集合住宅の内側の部屋にも自然光を取り入れる優れた方法です。


  • プライバシーと静けさ: 外部からの視線を遮りながら、開放的な空間を提供する中庭は、プライバシーを確保しつつ、外部の騒音を軽減することができます。中庭を囲むように住戸を配置することで、騒音が入りにくい静かな環境が整います。


  • 共用スペースとしての利用: 中庭は、住民が集まる共用スペースとして利用でき、交流の場としても機能します。ベンチやテーブルを配置して、住民同士がリラックスしたり、コミュニケーションを図る場所として活用できます。また、植栽やガーデニングスペースを設けることで、緑のある癒しの空間を提供することも可能です。


3. デザイン的な魅力

  • 視覚的な広がり: 中庭を中心にした回遊式の間取りは、視覚的な広がりを持たせることができます。窓やガラスドアを通じて中庭が見えることで、開放感が生まれ、空間が広く感じられます。このようなデザインは、居住者にとって心理的なリラックス効果をもたらします。


  • 四季の変化を楽しむ: 中庭に植栽を施すことで、四季折々の変化を感じられる住空間が提供されます。春には花が咲き、夏には緑が茂り、秋には紅葉が楽しめるなど、自然との調和を楽しむことができます。


4. エコフレンドリーな設計

  • 自然換気とエネルギー効率: 中庭を通じた自然換気の促進は、エネルギー効率の向上にも寄与します。風の通り道を設計することで、空調に頼らずに快適な室内環境を維持することができ、結果的にエネルギー消費の削減につながります。


  • 雨水の利用: 中庭の設計においては、雨水を利用するシステムを導入することも可能です。雨水を集めて、植栽の潅水やトイレの水洗に利用することで、資源の有効活用を図ることができます。


5. セキュリティと安全性

  • セキュリティの向上: 中庭を設けることで、住戸が内向きに配置されるため、外部からの侵入が難しくなり、セキュリティが向上します。また、回遊式の動線により、住民が頻繁に移動することで、不審者の侵入が目立ちやすくなる利点もあります。


  • 避難経路の確保: 回遊式の構造は、災害時の避難経路を複数確保することができ、安全性の向上につながります。中庭を中心にした配置は、非常時の避難場所としても機能しやすいです。


6. プライバシーと個別空間の確保

  • 視線のコントロール: 中庭を中心にした設計では、各住戸の窓が中庭に面することが多いため、隣接する住戸同士の視線が交差しにくく、プライバシーが確保されます。また、カーテンやブラインドを使わずに自然光を取り入れながらプライバシーを保つことが可能です。


  • 個別のバルコニーやテラス: 各住戸が中庭に面することで、バルコニーやテラスを設置しやすくなります。これにより、住民は外の空間を感じながらプライベートな時間を楽しむことができます。


回遊式・中庭のある集合住宅の間取りは、効率的な動線、自然光と通風の確保、プライバシーの保護、デザインの美しさ、エコフレンドリーな機能など、多くの利点を持っています。また、住民同士の交流を促進しながら、快適で安全な生活空間を提供するための優れた設計手法です。このような住宅は、都市生活の中でも自然との調和を楽しむことができ、長く住み続けたいと感じる魅力的な住環境を作り出します。


施主の想いを形にする設計方法


施主の想いを形にする設計方法は、施主のライフスタイル、価値観、好みを建築デザインに反映させることを目的としています。これには、施主との効果的なコミュニケーション、共感的な理解、そして創造性が必要です。以下に、施主の想いを形にするための具体的な設計方法を詳しく説明します。


1. 徹底したヒアリング

  • 施主のライフスタイルの理解: 施主の日常生活、仕事、趣味、家族構成などを詳しく聞き取ります。どのような時間帯にどの部屋を使うのか、家族で集まる場所はどこが理想的かなど、日常の動線を具体的にイメージします。


  • 価値観と目標の把握: 施主が住宅に求める価値観や目標を明確にすることが重要です。たとえば、環境に配慮したエコフレンドリーな住宅を希望しているのか、豪華で快適な空間を求めているのかなどを確認します。


2. インスピレーションの共有

  • 参考画像や事例の提供: 施主にとっての理想的なデザインや雰囲気を理解するために、建築士は参考となる画像や過去の事例を提供し、施主からもインスピレーションとなる写真やアイデアを集めてもらいます。


  • ビジュアルツールの活用: 3DレンダリングやVR(バーチャルリアリティ)を用いて、設計プランのビジュアル化を行います。これにより、施主が完成イメージを具体的に理解しやすくなります。


3. デザインコンセプトの策定

  • コンセプトの明確化: 施主の要望や希望を基に、住宅全体のデザインコンセプトを策定します。例えば、「自然光を取り入れた開放的な空間」「和モダンの落ち着いた雰囲気」など、コンセプトを明確にすることでデザインの方向性が決まります。


  • 機能と美学のバランス: 施主の機能的なニーズ(収納スペース、動線の効率性など)と美学的な好み(色彩、テクスチャー、形状)をバランスよく取り入れたデザインを追求します。


4. プロトタイプの作成とフィードバック

  • 図面と模型の作成: 初期の設計段階では、図面やスケッチを通じてアイデアを具体化し、施主に提案します。必要に応じて、模型や3Dプリントを用いて物理的なプロトタイプを作成することも有効です。


  • 施主からのフィードバックの反映: 提案をもとに施主からフィードバックを受け取り、設計に反映させます。この段階で施主が不満や不安を感じないよう、細かな部分まで丁寧に説明し、必要な修正を加えます。


5. 詳細設計と仕様の決定

  • 素材の選択: 施主の好みやライフスタイルに合った素材を選定します。例えば、猫と暮らす家では、耐久性があり掃除しやすい床材を選ぶなど、具体的な生活シーンを考慮した素材選びが重要です。


  • カラースキームの提案: 施主の好きな色や雰囲気を反映したカラースキームを提案し、内装デザインに統一感を持たせます。


6. シミュレーションと調整

  • 環境シミュレーション: 自然光の取り入れ方、風通しの良さ、エネルギー効率などをシミュレーションし、施主の快適な生活をサポートする設計を行います。これにより、実際の住まいの快適さを事前に予測できます。


  • レイアウトの最適化: 家具の配置や収納スペースの設計も、施主のライフスタイルに合わせて最適化します。必要に応じて、変更点や追加の提案を行います。


7. 施工中の確認と調整

  • 施主との定期的な打ち合わせ: 施工中も施主と定期的に打ち合わせを行い、進捗状況を報告します。必要に応じて、現場見学を行い、施主の意見や質問に対応します。


  • 変更点の対応: 施工中に新たな要望や問題が発生した場合、柔軟に対応し、施主の希望に沿った調整を行います。


8. 完成後のアフターサポート

  • 施主への使い方の説明: 完成後には、設備の使い方やメンテナンス方法について説明し、施主が安心して住まいを利用できるようサポートします。


  • アフターフォロー: 住み始めてからのフィードバックを基に、必要に応じて改善や調整を行うためのアフターフォロー体制を整えます。


施主の想いを形にする設計方法は、施主のニーズと価値観を深く理解し、それを建築デザインに具体的に反映するプロセスです。細やかなコミュニケーションと透明性、柔軟性を持った対応が重要であり、それが施主の満足度を高め、理想の住まいの実現につながります。



賃貸集合住宅(マンション・アパート)設計プロジェクトの解説


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