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執筆者の写真t-ogino

畳の持つ断熱性はどの程度?リノベーションで見落としてしまいがちな、意外な盲点。リフォームの心得

更新日:8月25日


中庭のある狭小住宅

長く住んで来た家を、リノベーションをする理由は、いくつかあります。設備が古くなったり、住みやすい間取りに変えるためだったり、耐震補強の為だったり。 築年数の長い家は、現代の生活スタイルに合わなくなっている場合があり、現代的な生活をする為のリフォームも行われます。畳に座り、炬燵に入る生活から、フローリングでソファー・椅子の生活に変わりたい。畳の部屋をフローリングに変えるリフォームも、良く行われますが、実はここに、気をつけて置かないと、あれ??失敗?となってしまう以外な、盲点があります。

畳が持つ断熱材としての、役割

畳には畳表という、井草で編んだ表面の部分と、芯の部分があり、芯がつくる畳の厚さは5センチから6センチほどあります。芯の部分、元々は藁で作られていましたが、今ではポリエチレンフォームなど化学素材を使ったものも多く使われています。実は藁も化学素材も断熱性の高い材料です。 元々畳は、権威の象徴でもありましたが、断熱材が発展していない歴史の時代、板の間の寒さを和らげる為に使われ発展して来た側面があります。今では、1階の床下には断熱材を入れ寒さを防ぎますが、畳の和室に関しては、畳の断熱性能の高さを考え、断熱材を入れない設計をする場合もあるほどです。

畳をフローリングに貼り換えたら寒い??

古く床下に断熱材を入れていない家の畳をそのままフローリングに張り替えると、床の断熱性能がなくなってしまいます。当然寒い!!!!!外気にそのまま足を、触れさせているようなもの、フローリングというより昔の板の間になってしまいます。 当然、床下に断熱材を入れておかなくてはなりません。

床下断熱材を入れれば完璧か?

床下に断熱材をいれることで、冷気を防ぐことができます。が。。。。。ここでも盲点があります。畳の生活から、フローリングの生活に変えるということは、床面(畳面)に座るという生活から、椅子やソファーに座るという生活に変わるということです。このライフスタイルが完璧に変えられる場合はよいのですが、畳でごろごろする生活が忘れられない、床に座ってしまう、以前の生活スタイルを引き摺ってしまう場合、フローリングに直接座ることになります。いくら断熱材を入れていても、フローリングの木材の表面自体は冷たさが残ってしまい、真冬はそのまま床に座る訳にはいかなくなります。


リノベーション木の骨組

フローリングゆえの冷たさを避けるには

真冬、表面が冷たくなってしまうフローリング。冷たさを避けるには、床暖房を入れるという方法があります。床暖房の放射熱は床面だけではなく、部屋全体を温めますから、非常に効率のよい暖房方法になります。 ホットカーペットをひくという手もありますが、放射熱にはあまり期待できない為、部屋を暖めるには、他の暖房器具に100%頼ることになります。

1階と2階では床の冷たさが違う

実は1階と2階では床の冷たさに差があります。1階は床下の外気に直接接しますから、外の気温の影響を受けやすい。2階の床下は1階の部屋ですから、室内の温度に接するだけですから、外気の影響は受けづらくなります。 畳からフローリングの張り替えをした場合も、そこまで冷たさを気にすることは無くなります。床暖房はあくまで快適性をどこまで求めるかという、視点で考えることになります。

畳の生活はいま時ではないのか?

さて、そもそも、畳の生活は今時では無いのでしょうか?実は私自身は畳でゴロゴロするのも好きだったりします。床に座るライフスタイルか、椅子に座るライフスタイルか、一度じっくり考えてみるのもよいかもしれません。



畳の持つ断熱性


畳は、伝統的な日本の床材で、断熱性に優れた特徴があります。畳の断熱性について詳しく説明しますね。


  1. 素材の特性: 畳の主な素材は「イグサ」と呼ばれる植物で、これが断熱性能に寄与しています。イグサは空気を多く含んでおり、そのため断熱効果が高いです。また、畳の表面は天然素材のため、冬は暖かく、夏は涼しく感じられます。


  2. 構造: 畳の内部は、イグサで作られた「畳表」と、内部に使われる「畳床」と呼ばれる部分で構成されています。畳床には、わらやポリスチレンなどの断熱材が使われることが多く、これが断熱性をさらに高めています。わらは自然素材であり、空気を含んでいるため断熱性能が優れています。


  3. 温度調整: 畳は湿度の調整にも優れており、湿気を吸収して放出することで室内の温度を一定に保ちやすいです。この特性が、断熱効果を高め、快適な室内環境を作ります。


  4. 音の吸収: 畳は音を吸収する特性も持っており、これにより室内の音の伝播を抑える効果もあります。音の吸収によって、外部からの音の侵入も軽減され、断熱効果と合わせて快適な空間が提供されます。


畳の断熱性は、伝統的な日本家屋の快適さに大きく貢献していますが、現代の住宅では他の断熱材と組み合わせて使用されることが一般的です。


リノベーションで床断熱方法


リノベーションにおける床断熱は、快適な室内環境を保つために重要な要素です。以下に、床断熱の方法を詳しく説明します。


1. 断熱材の選定と取り付け

  • グラスウール: 繊維状のガラスから作られる断熱材で、優れた断熱性能を持ち、比較的安価です。取り付け時に適切な厚みと密度を確保することが重要です。

  • ロックウール: 鉱石から作られ、グラスウールと同様に優れた断熱性能を持ちます。防音効果も高いです。

  • ポリスチレンフォーム(EPS、XPS): 発泡プラスチックで作られ、軽量で高い断熱性能を持ちます。湿気に強く、施工が簡単です。

  • ポリウレタンフォーム: 高い断熱性能を持ち、薄くても優れた断熱効果があります。湿気にも強いですが、コストが高いことがあります。


2. 床下断熱

  • 床下空間に断熱材を施工: 床下の空間に断熱材を設置する方法です。床下にアクセスできる場合は、グラスウールやロックウールのマットを床下の梁の間に敷くことで、床の断熱性を高めることができます。

  • 断熱パネルの使用: ポリスチレンフォームやポリウレタンフォームの断熱パネルを床下に敷き詰める方法です。施工が比較的簡単で、断熱効果も高いです。


3. 床上断熱

  • フローリング下に断熱材を施工: 既存のフローリングを取り外し、その下に断熱材を設置する方法です。施工後にフローリングを戻すことができます。断熱材の厚みや種類によって、断熱性能が変わります。

  • 断熱フローリング: 断熱性能が組み込まれたフローリング材を使用する方法です。リノベーション時に新たにフローリングを選ぶ際、断熱効果のある商品を選ぶと良いでしょう。


4. 断熱シートやマット

  • 断熱シート: 床に直接敷くことができる薄い断熱シートです。手軽に施工できる一方で、断熱効果は限られる場合があります。

  • 断熱マット: フローリングの下に敷くことができるマットです。簡単に施工でき、比較的安価ですが、断熱効果を最大限に発揮するためには厚みや材質に注意が必要です。


5. 湿気対策

断熱材の取り付け時には湿気対策も重要です。湿気が断熱材に侵入すると、断熱性能が低下するだけでなく、カビや腐食の原因にもなります。湿気対策としては、防湿シートの使用や、床下の換気を行うことが推奨されます。


リノベーション時の床断熱は、住宅の快適さを大きく向上させるための重要な要素です。施工方法や断熱材の選定は、家の構造や予算に応じて最適なものを選ぶと良いでしょう。


畳の生活の良さについて


畳の生活には多くの良さがあります。以下にいくつかのポイントを挙げてみますね。


1. 自然な素材と快適さ

  • 通気性: 畳は自然素材(イグサ)で作られており、湿気を吸収してくれるため、部屋の空気が乾燥しすぎず、快適です。

  • 温かみ: 畳は温かさを感じさせるため、冬の寒い時期でも快適に過ごせます。


2. 健康への配慮

  • クッション性: 畳は柔らかいので、転んでも怪我しにくいです。特に小さなお子さんや高齢者がいる家庭に向いています。

  • アレルギーの抑制: 畳はほこりを吸収しやすく、アレルギーの原因となるダニやホコリが少なくて済みます。


3. エコロジー

  • 再生可能素材: イグサは再生可能な素材で、環境に優しいです。

  • リサイクル: 使用済みの畳は、リサイクルされることが多く、廃棄物としての負荷が少ないです。


4. 多機能性

  • フレキシビリティ: 畳の部屋はレイアウトを変更しやすく、寝る、座る、遊ぶなど、さまざまな用途に対応できます。

  • 和の雰囲気: 日本の伝統的なデザインが部屋に落ち着いた雰囲気をもたらします。


5. メンテナンスの簡単さ

  • 掃除のしやすさ: 畳は掃除機で簡単に掃除できるほか、定期的に表面を拭くことで清潔を保てます。

  • 取り替えが可能: もし傷んだ場合は、畳表だけを交換することでリフレッシュできます。


畳の部屋は日本の伝統的なライフスタイルの一部であり、現代の生活においてもその良さを活かすことができますよ。




住まいの設計・計画の解説


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